SPECIAL BRANDING INTERVIEW

事務所の ブランディングは 社内外に好影響を与える

税理士法人YMG林会計

代表税理士

林 充之

STEP.01

ブランディングとの出会い

事務所の理念や思いをCIデザインで形にする

―― 税理士法人YMG林会計は横浜市で地域に密着した顧問先支援を50年以上続けている会計事務所です。 同事務所は近年、CIデザイン等のブランディングを導入していますが、なぜCIデザインを活用しようと思ったのですか。

 私たちは事務所の「理念や思い」を知ってもらうということを重要視していたからです。

 例えば、テレビなどのメディアに出ればその人は有名になり、仕事が舞い込むということがあります。それと同じように、おなじみのロゴマークがある企業は見る人の印象が変わります。

 私たちの商売は、まず相手に知ってもらうところから始まります。ですから、単に「YMG林会計です」と言うだけではなく、目から訴える代表的手法としてCIデザインに取り組んだのです。

―― 具体的にはどのように進めたのでしょうか。

 まずは以前からあったロゴマークを少しリニューアルしました。例えば、この丸い形は「人の輪」を、末広がりの形は「しっかりと根を張る」ということを表現しています。グリーンのコーポレートカラーは、地元である横浜市緑区から来ています。

―― 認知度を高める効果はありましたか。

 このロゴマークもグリーンも皆様に覚えてもらえるようになってきたと思います。例えば、銀行員の方に会ったときに、「この名刺、見たことあります」と言ってもらえたことがありました。

 実は、印鑑登録のカードと住民基本台帳カード用の袋を、毎年横浜市にかなりの数納品しています。横浜市が経費削減の意味で、この袋を広告媒体として公募しているのです。実費で袋を印刷してくれる業者がいれば、そこにロゴを入れても構わないということですね。

 この袋には、印鑑登録カードや住民基本台帳カードといった極めて重要なものが入っています。ですから、この袋は捨てられないのです。これがよいところですね。

STEP.02

ブランディングの導入

自社の強みを再発見できるカルチャーブックの制作

―― CIデザインを導入し、名刺や封筒などをリニューアルしたあと、どのような物を制作されたのでしょうか。

 物語風の絵本の形式で会社案内を作りました。内容によって「相続編」「経営編」と分けています。

―― 絵本のような会社案内を作成された意図はどこにあるのですか。

 始めに制作したのは「相続編」でした。相続において大切なことのひとつは家族円満に承継していくことです。「心の承継」という言葉もあるくらいです。

 実際に相続の対策をする場合、主導権を握るのは承継するお子様ではなく、お父様です。そのお父様に自分のお孫さんと絵本を読みながら相続について考えるきっかけになればよいと思ったのです。相続対策を紹介した単なるパンフレットでは、家族を大切にするというところまで気持ちがいかないと思うのです。

 その後、同じように「経営編」を作成しました。こちらは「何かやってくれそうな事務所だ」というインパクトを与えるために作りました。

―― 会社案内を改めてから社内に変化はありましたか。

 以前は職員が顧問先に営業に行く際に、「うちはパンフレットが充実していないから説明しづらい」という声もありました。それであればと、会社案内以外にもさまざまなツールを作り、CIを統一して、ブランディングを高めるために本も出版しました。要は逃げ道をなくしたわけです。

 結果として、社員からは「営業するのが楽になりました」「なんだか珍しいと思われているようです」「かなりインパクトがありました」などの声を聞くようになりました。

―― その他にはどのような物を制作されましたか。

 私たちは昨年創業から50年を迎えました。これは経営方針や事務所のDNAを社外にも知ってもらうよい機会だと思いました。そこで、その思いを分かりやすく伝えるために制作したのがカルチャーブックでした。

 カルチャーブックは私からのトップダウンではなくて、社員の意見を募りながら制作しました。事務所の強みはなにかと意見をもらい、それをひとつずつ付箋で貼り付けていくのです。

 トップダウンでやるよりも時間はかかりますが、「自分たちにはこんな強みがあったのか」とあらためて見直す機会となりました。仲間として大切なものや、対外的な姿勢が明確になった企画のひとつでした。

―― 社外の反応はいかがでしたか。

 「おもしろいね」と言ってもらえました。かなり、インパクトはあったと思います。カルチャーブックでは「私たちは『すき焼き』のような会社を目指します」と宣言したのです。

 諸説はありますが、すき焼きは横浜が発祥といわれています。そして、すき焼きがすごいと思うのは、ネギや春菊、白滝、豆腐に卵といった「脇役」が総合的なおいしさを作り出し、ひとつでもかければ物足りなさを感じるところなのです。私たちは専門家集団として力を発揮していくという思いを「すき焼き」になぞらえました。

 このカルチャーブックを見て、「うちでもアニバーサリーでやってみます」と始めた企業さんも出てきています。税務の計算だけをするのではなく、コンサルティング的な業務を行っている会計事務所にもこのカルチャーブックは有効だと思いますね。

STEP.03

ブランディングの効果

CIデザインは顧客との相互理解を深める

―― こうしたさまざまなブランディングへ取り組みを行ってみて感じたことをあらためて教えてください。

 営業をするなかでまず相手が受け取るのは第一印象です。その次にあるのは担当者の人としての信用度、さらにその次に会社としての信頼度があると思います。ブランディングは会社を信頼してもらうための第一歩になると感じています。

 例えば、不動産会社を選択するときに、同じような業者で悩んだときにCIやポリシーからその会社を判断すると思うのです。自分たちのポリシーをはっきり出している会社と、そうではない会社では、その部分に差が生まれるのではないでしょうか。

―― CIを作り、理念を伝えることでお客様の獲得にはどのような影響がありますか。

 先ほど申し上げたとおり、私たちは顧問先にはまず人として信頼してもらうことが必要だと思っています。人と人の付き合いをしたいのです。

 インターネットによる集客はどうしても価格重視になってしまう傾向があります。ですから、ホームページで低価格を打ち出して顧問先を獲得することは狙っていません。まず、お客様と価値観を相互理解して、理念を共有できるお客様と発展したいのです。CIデザインはそこに役立っていると思います。

―― 採用面にも影響はありますか。

 もちろんです。志願者が会計事務所を選ぶ際の判断材料には、「事務所が安定しているのか」「給与がどのくらいなのか」などがあると思います。それと同じように「どのような考えを持った事務所なのか」というのも大きな興味のひとつでしょう。

 カルチャーブックには、「こんな人を採用したい」「こんな人と仲間になりたい」という考えも落とし込んでいます。その考えを対外的に示せたことで効果は出ていると感じますね。

ABC Branding Project

ABCブランディングプロジェクトとは

ブランディングの効果を、もっと世の中に。 各分野のプロの全面サポートによる新しいプロジェクトがスタートしました!

中小企業こそ日本経済のエンジンである。しかし、社会のスピードと複雑化によって多くの中小企業は、 この厳しい社会構造についていくだけで精一杯になり、 エンジンどころか振り落とされてしまう結果が生まれています。 だからこそ出来るアドバイスの領域があります。 経営に寄り添う存在だからこそ、そう気づいている職業会計人が増えています。 だからこそ、私達はそのワンピースを埋めるためにブランディングプロジェクトを新たに発足したのです。 「みえない価値をみえる価値に」をスローガンとして、 もっと中小企業支援へと突き進み価値ある情報を発信し続ける”実務経営サービス” ブランディングデザインのプロ”セルディビジョン” この3つの共同体が、「日本の中小企業のブランディング」に本気で取り組みます。 この共同体が中小企業の価値をつくり、高め、広めるのです。 それは、今までの互いの領域を越えていく瞬間です。

Celldivision

セルディビジョンとは

ブランディング事例は、400社以上。 セルディビジョンがあなたの理念をカタチに

株式会社セルディビジョンは、「価値をつくり、たかめ、ひろめる」の経営理念の元、クライアント様の先のお客様と、ご依頼頂いたクライアント様、そして創り手である自身の三者が、心から満足できるモノ創りとお客様の求めている以上の満足と、常にお客様に驚きと感動を与えるための+αのサービスを提案しています。また、セルディビジョンが手がける「ブランディング」は、綿密なヒアリングに始まり、ロゴマーク・コーポレートカラー・名刺・封筒といったツールや、会社の指針となる理念を具現化したクレドなどをブランディングの基礎部分(CI Design)としてご提案しています。これまでも先進の会計事務所と、実務経営サービスとの3つが連携をとりながら、数多くのブランディングを通じて企業の価値をつくり、たかめ、ひろめることで、日本全国の人たちを元気に、そして笑顔にしてきました。そんな心強い存在がクリエイティブ面を全面サポートいたします。

Produced by