ブログ・アウトサイドストーリー

実務経営ニュース

インタビュー

吉永弁護士連載

ブログ・アウトサイドストーリー

2013

  • 2013年12月号 ブログ・アウトサイドストーリー91

    第15回 税務会計系ブロガーサミット in グランフロント大阪よりワールドカフェ——中小企業に対する私たちの役割

     白川浩税理士事務所 所長 税理士 白川 浩

     9月21日、晴天の土曜日に、今春オープンしたグランフロント大阪のナレッジキャピタルにて、「15回税務会計系ブロガーサミットinグランフロント大阪」を開催しました。

     シルバーウィークの最中、26名も出席してくださり、幹事を代表いたしまして、あらためてお礼申し上げます。誠にありがとうございました!

     今回の幹事は菊水浩税理士、秋山和久税理士、そして私、白川浩が務めました。

     今月のリレーエッセイでは、今回のテーマ「ワールドカフェ ~中小企業に対する私たちの役割~」について、私からお話をさせていただきます。

    ワールドカフェとは

     

     「ワールドカフェ」。この字面からは、それが何かをイメージするのはなかなか難しいと思います。正直「どこにあるお店?」って思われた方もいたかもしれません(笑)。

     ワールドカフェとは、お店ではなく、「知識や知恵は、機能的な会議室の中で生まれるのではなく、人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできる『カフェ』のような空間でこそ創発される」という考えに基づいた、「話し合いの手法」です。

     普通の会議とは次のような違いがあります。

     本物のカフェのようにリラックスした雰囲気で、テーマに集中した対話を行います。また、自分の意見を否定されず、尊重される安全な場で相手の意見を聞き、つながりを意識しながら自分の意見を伝えることにより生まれる、場の一体感を味わえます。メンバーの組み合わせを変えながら、4~5人単位の小グループで話し合いを続けることにより、あたかも参加者全員が話し合っているような効果を得られ、参加者数は12人から1000人以上でも実施することができます。

    選んだ理由

     

     今回ワールドカフェを選んだ理由は、せっかくグランフロント大阪のナレッジキャピタルで開催するのですから、何かアカデミックな催しをできればということがありました。また、この形式なら、自分の考えを述べる機会が必ずあります、というより述べざるを得ません。皆さんの肩書や立場も違うので︑興味深く聞いてくれます。話をして、聞いて、それをまとめてと、ほぼ全ての時間に参加することになり、参加された方の満足度も高くなるだろうと考えました(これは、実際にワールドカフェに参加された方から聞いた感想でもありました)。

     また、話し合いのテーマとして、「中小企業に対する私たちの役割」を選んだのは、この会に参加される方たちにとって、ちょうどよいものだったと思います。これなら参加される方が誰でも発言できること、そして少しぼやけたテーマにすることで、いろいろな意見が出ると見込んで決定しました。

    結論を出さない会議

     

     大まかな進め方は、次のようになります。各ラウンドは、それぞれ15~20分間で行うのが通常ですが、今回は時間の都合上、各ラウンドを15分間で行いました。

    第1ラウンド

     最初に、テーブルに集まったメンバー同士がテーマについて話し合います。発言者はボールを持って思うところを述べ、ほかのメンバーはメモや思いついたことをテーブルの模造紙に書き込みます。話し終わったら次の人にボールを渡し、全メンバーが発言します。その後、質問や補足をしつつ、話し合いを深めていきます。

     時間が来たらテーブルホストを決めて、ほかのメンバーは机の模造紙などを参考に、ほかの気になるテーブルへとバラバラに移動します。

    第2ラウンド

     テーブルホストは集まったメンバーに第1ラウンドの内容を説明します。そして、ほかのテーブルから来た人たちと同じように意見を述べ合い、模造紙に書き込みながら、さらに話し合いを深めます。

     これがワールドカフェにおける「他家受粉」といわれるものです。これを行うことで、あたかも参加者全員で話し合いをしているような効果をもたらすのです。

     時間が来たらテーブルホストを残し、ほかのメンバーは最初に座ったテーブルに戻ります。

    第3ラウンド

     前のラウンドと同様に、テーブルホストが先のラウンドの内容を説明します。そして戻ってきたメンバーが、ほかのテーブルで話し合った内容を持ち帰ります。

     このあたりになると、模造紙の書き込みが随分と増えてきます。

     今回は時間の都合上、メンバーのシャッフルは1回としましたが、時間が許すのであれば、2回以上行うと、さらに「他家受粉」の効果が期待できると思います。

    全体ラウンド

     第1~3ラウンドの話し合いによってできた模造紙を貼り出し、ファシリテーターの進行で全体のまとめを行います。

     ここでの進め方としてはいろいろな方法がありますが、今回は時間いっぱいまで目に付いたキーワードをもとに、ほかの先生方の意見を聞いていきました。初参加のメンバーを中心に、多くの方に発言していただくことができました。

     そして、これもワールドカフェの大きな特徴ですが、この場ではあえて結論を出しません。各個人がこの話し合いで得たことを持ち帰り、今後のお仕事や人生に役立てていただく。これこそがワールドカフェの目的です。

     そうです、ワールドカフェとは「結論を出さない会議」なのです。

    用意するもの

     

    1. 模造紙:テーブルでの書き込みに使う模造紙です。今回は76.5×108.5センチメートルのものを使いました。

    2. ペン:カラフルなほうが見ていて楽しいので、色は多いほうがよいと思います。

    3. トーキングオブジェクト:話す人に持ってもらうものです。クッシュボール(ウニのようなふわふわのボール)やカラーボールなどを使います。

    4. トランプ:座席やテーブルホストを決めるのに使いました。

    5. 席札:テーブルの場所を表す席札です。カードケースとダブルクリップで作りました。

    6. 時計:タイムキーピング用の時計は、iPadの「プレゼンタイマー」という無料のアプリを使いました。

    7. チャイム:話し合いの開始・終了の合図や、注目を集めるのに使います。アプリにもチャイム機能はありますが、今回は「エナジーチャイム」というキレイな音の出る、1本の鉄琴のようなものを使いました。

     当日は、「クッシュボール」と「エナジーチャイム」を近藤学先生にお借りして使わせていただきました。

     今回は場所の制約上用意できませんでしたが、カフェの雰囲気を出せるような食べ物・飲み物やオブジェなどがあるとよいともいわれています。

    開催してみて・・・

     

     外側から眺めてみた感想になりますが、最初は戸惑い気味だったものの、時間とともに話し合いも活発化して、静かすぎず、煩すぎず、あたかもカフェにいるかのような雰囲気が自然とできあがっていきました。

     話し合いに参加された方も最初の5分は長く感じられたかもしれませんが、最後の5分はとても短く感じられたのではないでしょうか。

    15分という時間は今にして思うと絶妙だったと思います。

     今回はほどほどに知っている仲間同士で行いましたので、とても楽しく、かつ中身のあるワールドカフェになったと思います。ワールドカフェの開催には時間や場所、ある程度の人数と相応の準備が必要になりますが、当日いざ始まってしまうと、意外なほどあっという間に時間が過ぎていきました。

     実は、今だから言えるのですが(笑)、私をはじめ、今回の幹事にはワールドカフェへの参加経験がありませんでした。さらに、ほとんどの人に経験がないことから、盛り上がりに欠けてしまわないかという懸念もありました。

     しかし、好奇心旺盛なこのブロガーサミットのメンバーですから、きっと面白がって乗っかってくれるだろうという楽観的な目論見もありましたし、事実そのとおりになりました。

    最後に

     

     今回の企画の発案者でもあり、全体ラウンドのファシリテーターを務めてくださった近藤学税理士には大変助けていただきました。この場をお借りしていま一度お礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

     また、3名の合同幹事ということで、私1人ではここまでの会にすることは正直不可能だったと思っています。私が一応年長者でしたのでリーダーのように立ててくださり、一緒に準備をした菊水浩税理士と秋山和久税理士にもお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

     大変な役目ではあったものの、皆様方のおかげで私自身も楽しく過ごすことができ、貴重な経験をさせていただくことができました。

     以上、ワールドカフェについてお話しいたしました。今回のブロサミを機に、ご自分でワールドカフェを開催してみようという方、どこかのワールドカフェに参加してみようかという方々に、少しでも参考になれば幸いです。

    白川 浩(しらかわ・ひろし)

    昭和41年7月7日宮城県生まれ。香川県出身。平成2年龍谷大学経営学部卒。大学在学中に日商簿記1級を取得し、税理士試験の受験を始める。平成10年に税理士登録。大阪市内の税理士法人に勤務後、平成23年大阪市中央区本町にて白川浩税理士事務所を開業し、現在に至る。そのほかに、初級システムアドミニストレータと、英文会計検定BATIC(AccountantLevel)を取得。

     

    ■ブログ

    「Hiroshi's Diary」

    ■Twitter:@hiro0707tax

    ■Facebook

  • 2013年11月号 ブログ・アウトサイドストーリー90

    「ユルいネットワーク」こそ事務所経営の財産、そして、「ブロサミ」の意義 木村税務会計事務所 所長 税理士 木村聡子

    「ブロサミ」の名付け親

     

     平成25年9月21日(土)、大阪ブロガーサミット(以下適宜「ブロサミ」と略します)は、今回の目玉「ワールドカフェ」をやってみようというアイデアを提供してくださった近藤学税理士のご協力、そして幹事3名(秋山和久税理士、白川浩税理士、菊水浩税理士)の仕切りのよさもあり、盛会のうちに幕を閉じました。

     「ワールドカフェ」の何たるか、大阪ブロサミがどのような内容だったかは、この後にバトンをつなぐ白川税理士がしっかり書いてくださることでしょう。ちなみに、大阪ブロサミの様子は、写真とともに「元祖ブロサミオフィシャルブログ」でもご確認いただけます。

     しかし、です。時は流れ、世の中の情報発信の媒体は、ホームページからブログ、ツイッター、フェイスブックと、まさに群雄割拠の様相となり、参加者の情報発信の方法・内容・頻度もバラバラ。そのようななか、「ブロガー」サミットと名乗り続けてよいものか、という疑問もちょっとありますが、2006年3月、ブログで出会った同業者が「ちょいと確定申告の打ち上げでもやりましょうか」とウェブ上で連絡を取り合い、洒落っ気で名付けた「ブロガーサミット」という名称。この会の起源を示すということで、ま、ありといたしましょう。

     ちなみに「ブロサミ」の名付け親は、この私だったりします。最近、アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)さんというソーシャルメディアマーケティングで有名な会社が「ブロガーサミット2013」なるイベントを大々的に開かれましたが、ウチらのほうが老舗だったりしますんで、そこんとこヨロシク!

    ブロサミ終了宣言?

     

     ところでこのブロサミ、東日本大震災による中断が1回あったものの、開催も15回を重ね、大々的な宣伝なしに毎回必ず20名以上の参加者を集めているというのは、会の発案者(大林税理士&私)ながらとっても不思議です。意義なく趣旨なくこの会を始めてしまったブロサミの「母」はうろたえています。

     今だから話せますけど、けっこうなイベントになってしまった変な重圧に耐えかねて、某サミットの開催前にその時の主催者さんと(どの回かは伏せておきます)、「今回で『ブロサミは終わりにしまーす』宣言しちゃおうか!」なんて、キャンディーズの解散宣言のノリ(年齢がばれる!)で企んだこともありました。

     でもこの企みが未遂に終わってよかったと、今回の大阪ブロサミで楽しそうにワールドカフェに興じている参加者の方々を拝見し、つくづくそう思ったものでした。

    なぜブロサミはここまで続いたのか

     

     で、今回のこのエッセイでは、「なぜブロサミはここまで続いたのか」を分析してみたいと思います。

     いきなり分析結果ですが(結論、早っ)、ズバリそれは「ユルさ」にあるのではないでしょうか!

     ブロサミ草創期に参加者の中から、「こういったイベントは、何か成果物(例えば著書など)を出さないと苦しいのではないか」「『ブロサミ宣言』のようなものを出して、中小企業に向けてメッセージを発信したほうがよいのではないか﹂という声が上がったこともありました。

     でも、背伸びをしてそういった会にしていたら、ここまで続かなかったことでしょう。幹事に過度の負担を強いてしまうことになりますし、参加者の新陳代謝も悪くなりそうです。

     ブロサミというイベントは、おのずと「次回幹事立候補or指名制」という流れになり、これまた自然に「内容は幹事一任」ということになりました。例えば、私は参加できなかったのですが、岐阜サミットは幹事の不破さんが、「サミット初期の単なる吞み会&カラオケという原点に立ち返る」という趣旨で開催されたそうです。このユルさゆえ、毎回内容が予測不能で、単純にそれが面白いんですよね。だから長続きしているんだと思います。

     また、先にも述べましたが、このように内容的にハードルが低くユルいことから、参加者の新陳代謝が非常によい。第1回からの参加者もいれば、毎回必ず初参加者がコンスタントにいらっしゃいます。しかも古参の参加者が先輩風を吹かせるということもありません。

     我々の業界も、いろいろなつながりがあります。その最たるものが「税理士会」です。「資格の前では人(税理士)は平等だ」とはいっても、税理士会の支部に顔を出すと、実際は先輩に気を使い、男性は野球部に半強制的に参加を迫られ、若手は「何かの部会に参加しろ」と詰め寄られる……。つながりというよりは「しがらみ」ですよね……。ま、それはそれで参加すれば意義のあることですが、小さな事務所ほど本業の負担になることが多々あります。

     その点、このブロサミは出入り自由。新旧メンバーの別なく、ざっくばらんに事務所の経営や実務について情報交換できます。ブロサミに意味を感じなくなれば、「卒業します」と宣言して去るのも自由。ブロサミを踏み台にして羽ばたいてくれるのも大いにあり。

     「それで、いいんじゃなーいー?」と、去る者を追わない雰囲気がここにはあります。もちろん「卒業します」と言ったあとで戻ってきても大歓迎。そんなユルユル具合がブロサミの魅力だと思います。

    ユルいネットワークによる化学反応

     

     税理士に限らず、独立して事業を始めた場合、「しがらみがなく」「緩やかで」「ざっくばらん」に情報交換できる仲間が必ず必要になります。独立系の税理士・会計士の「ユルやかなネットワーク」形成の一助という役割を、このブロサミは果たしています。ここが長続きしている最大の理由なのでは!?

     そして成果を強制的に目指してはいないブロサミにもかかわらず、このユルいネットワークから、次のような成果も化学反応的に生まれています。

     

    経理プロフェッショナル養成講座

    アイ・シー・エス通商株式会社の中山社長は、とても有名な経理本ブロガーでいらっしゃって、第1回ブロサミの参加者です。そこで出会った吉澤大税理士プロデュースのもと発足したのが、「経理プロフェッショナル養成講座」です。講師の井ノ上陽一税理士もブロサミ参加者。そして恥ずかしながら私も、「資金調達支援編」で講師を務めています。まぎれもなく、ブロサミでの出会いがなければ成り立たなかった企画だと思います(http://www.icst.co.jp/seminar/professional.html)。

     

    LLP(タックス・プリンシプル・ジャパン)

     ブログで出会い意気投合した関西の若手税理士中心のLLP。その母体となったのはなんと、メンバーのうち3名(前田税理士、木村税理士、大末税理士)が立ち上げた「超税理士俱楽部」という、事務所を超えたブログでした(http://www.llp-tpj.com/)。

     

     ほかにもきっと、ブロサミつながりを出発点として、成果をあげた例はあるのではないでしょうか。これまた私が参加しているプロジェクトで手前味噌ですが、先月号のエッセイで紹介されている松波税理士が中心となって立ち上げた銀行対策ラボ(B-LABO)(http://blabo.biz/) もその一例です。ブロサミで松波税理士と出会い、その後定期的に情報交換をしていたことから、メンバーに加わらせていただくこととなりました。

    まとめ

     

     このように、「ブロサミで何か成果物を!」と肩ヒジ張らなくとも、もともと「情報発信したい」という思いから、ブログというツールに手を染めた同好の士ということで、根底に「コミュニケーション重視」「伝えることに重きを置く」「ITにも税務にも勉強熱心」という共通項があるわけです。そこで出会ったメンバーの中でさらに気が合う人々とその後融合していけば、事務所経営にとって非常にプラスになると思います。

     というわけで、なぜ「ブロサミ」が細く長く続いているのかを、だらだらと分析してみました。第1回ブロサミの「税理士ブロガーで確定申告の打ち上げしよーぜ!」という軽いノリで始めたものがこうなってしまったという変化を眺めているだけで、「ブログをやってよかったなぁ……」と思います。

     おっと、でも、それだけではダメですよね……。ブログ、もっと更新しなくては!!(汗)

    木村聡子(きむら・あきらこ)

    木村税務会計事務所所長。税理士。

    法政大学法学部卒。

    一般企業に勤務後、2つの会計事務所に勤務。

    平成12年に開業。

    著書に「土下座と健太と経済学」(アチーブメント出版・共著)などがある。

     

    ■ブログ

    kimutax カフェ(きむカフェ)

  • 2013年10月号 ブログ・アウトサイドストーリー89

    税理士業務と銀行対策支援の親和性 松波会計事務所 所長 税理士 松波竜太

    書籍「借入は減らすな!」を出版

     

     「借入は減らすな!」という本を平成25年2月に出版しました。この本の内容は、平成24年12月にリリースした「銀行借入ドットコム」サイト(http://www.ginkokariire.com) が基になっています。同サイトはプロのウェブコンサルタントに依頼して作成してもらいました。

     サイトは、サービスの概要、銀行借入ノウハウ、用語集の3つのコンテンツから成り立っています。

     サービス概要は「お問い合わせ」と「サービスお申し込み」に誘導するためのページです。銀行借入ノウハウと用語集は、サービス概要へのリンクを増やすために、SEO対策としての役割を担っています。

     用語集に200字前後の銀行・融資・金融関連用語を400項目ほど配置しています。

     そして、銀行借入ノウハウは1000字前後の読み物で、25項目ほどの構成となっています。

     このように、多量のコンテンツから構成されるサイトですから、ブログシステムを使って構築しています。サイドバーへのリンクなどが自動生成されるので便利です。

     ところで、冒頭の書籍ですが、サイト構築の過程で銀行借入ノウハウを書き進めるうちに、4万5000字ほどの量になったので「どうせなら1冊の本にまとめてみたい」と考え、出版社に企画書を出したところ、運よく評価していただき、出版にこぎ着けたのです。

     ちなみに、企画書は4社の出版社に出しました。出版社の選定や企画書の書き方については、実務経営サービスさんから多大なるご支援を頂きました。

     結果はどうだったかというと、1社は出版社の得意分野と合わないということで×。もう1社は、雑誌的な内容で本として売るのは厳しいので、自費出版ならOKという評価で×。そして2社から商業出版でOKという返事を頂きました。

     本を出すのは初めての経験です。まさに手探りの状態で、1社1社アポを取って訪問しました。ですから、企画書もトークも1社目よりは次……、とだんだん進化していったと思います。

     また、出版社というのはそれぞれ得意分野があり、ある出版社ではダメでも、違う出版社では通ることがあると分かったのは収穫でした。

    銀行対策は誰に相談する?

     

     ところで、「銀行対策は税理士に相談するもの」と考えている中小企業はまだ少ないと思います。しかし実は、税理士は中小企業の銀行対策のアドバイザーとして最適なのです。

     「銀行対策コンサルタントがいるのになぜ税理士が?」と思われるかもしれません。しかし、試算表から申告書・決算書作成まで、お客様の財務のサポートを一手に引き受けている税理士という立場だからこそ、中立的な立場でコンサルタントよりも自然な形で銀行と接触できるのです。むしろ、コンサルタントが同席すると銀行員が構えてしまう可能性があり、同席を控えることさえあるのです。

     また、「非弁行為」にあたるのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、条件変更などの法律行為をする場合は問題になり得ますが、「平常時」の決算書や試算表の説明のサポートは全く問題ありません。むしろ、日頃会えない専門家の意見を聞けるということで、銀行員から喜ばれることのほうが多いのです。

     さらに、「税理士には銀行対策のアドバイスなど無理」という声も聞こえてきそうです。それは、「銀行と交渉して融資を引き出すなんて無理」と考えられたからではないでしょうか? 確かに、「融資を引き出します」などというキャッチフレーズを謳うのは難しいと思います。そもそも、融資を100%の確率で引き出すことなど、保証できることではありません。むしろ、こんなことを言うのは胡散くさい輩で、銀行対策とはこういうものではないのです。

    銀行対策支援に必要なものとは?

     

     では、銀行対策のアドバイザーになるためには何が必要でしょうか? 実はそれほど特殊な能力が必要なわけではありません。

     まず第一に、銀行が納得する決算書を作ることのできる能力が必要です。これは、私たちの職務の一丁目一番地なので問題ないでしょう。しかしながら、「税務会計」を中心に作っている会計事務所はまだまだ多いので、「透明性の高い決算書を作っている」というアピールが必要になります。

     第二に、銀行組織や融資に関する知識が多少必要になります。これは、「税務調査」対策において、「税の取扱い」や「税務署の組織」を知っていたほうが有利になるのと似ています。基本的なことを押さえたうえで、経験でカバーすることになります。

     そして最後にお客様にピッタリと合った銀行を紹介できることが必要となります。会社の規模やニーズに応じた銀行の選定はもちろんのことですが、何よりも「融資に積極的な支店や担当者を紹介できること」が銀行対策として極めて重要になります。この部分は情報量がものをいうのかもしれません。

    コンサルタントと税理士の違いは?

     

     ところで、「銀行対策コンサルタント」は、私たちの顧問料の何倍ものフィーをもらいながら、どのようなサービスを行っているのでしょうか。

     彼らがすることは、まず、銀行ウケのよい決算書の作り方の指導です。多くが元銀行員ですから、この部分に関してはお手の物です。しかし、結局のところ、事業計画の策定と予実管理などの支援で、案件を継続的にフォローするというのが儲けのタネとなっているようです。つまり、メシのタネは私たち税理士の業務とそれほど変わりがないのです。

     では税理士との決定的な違いはどこにあるのでしょうか?

     それは、「○○銀行の△△支店が融資に積極的」という情報を「面」で持っているか否かです。さすがにこの点においては、銀行対策を専業でやるのと、決算書・試算表作成と兼業でやるのとでは違いが出ます。

     そこで、この部分をフォローする仕組みを実現するために、このたび「超実践!資金調達情報交換会(略称B -LABO)」という組織を立ち上げることにいたしました。

     B -LABOには、会員同士で「融資に積極的な銀行・支店・担当者」の情報を交換できる場を作りたいと考えています。これによって、これまでは難しかった「初めて進出する地域での銀行紹介」が可能になるのではないかと考えています。

     また、「銀行対策は税理士に相談するもの」と考えていない中小企業は、恐らくインターネットで調べて銀行対策コンサルタントに相談することになるでしょう。ですから、B-LABOでは、金融業界やマスコミ等に対しても「会計事務所は銀行対策支援のベストアドバイザーである」ということを広く周知し、会員先生のブランディングにつなげていただけるようにしたいと考えています。

     B -LABOに関する情報は、随時、実務経営ニュースにアップしていきたいと思いますので、ご興味のある方は、いつでもお問い合わせをお願いいたします。

    プロモーションとは?

     

     「サイトや書籍からの問い合わせはどれくらいあるのだろうか?」という疑問を持たれると思います。

     残念ながら、単体それぞれでの効果は薄いといわざるを得ません。

     しかしながら、セミナーを企画すると、サイトや書籍をご覧くださった方が参加してくれることがあります。このような方は「問い合わせ」の代わりに、セミナーを通じて私を「評価」しに来てくださっているので、その後のご相談からの成約率がかなり高くなります。プロモーションとはこういうものなのかなと、最近実感し始めました。

     今後はまず、より多くの方にサイトと書籍をご覧いただけるようにすること。そして、サイトから書籍へ、書籍からサイトへと誘導することでロイヤルティーを高める。最終的に、セミナーへと誘導してクロージングにつなげるという方向を模索していきたいと考えています。

     とはいえ、思っている通りに、うまくいくものでもないと思いますので、機会があればまた、ご報告させていただこうと思います。

    松波竜太(まつなみ・りょうた)

    税理士。平成15年に松波会計事務所を開業(埼玉県さいたま市、関東信越税理士会、浦和支部所属)。「決算書が読めない経営者でも銀行交渉ができる」をコンセプトに、200社を超える中小企業に対して、財務体質の改善や銀行交渉などのコンサルティングを中心とした会計・税務サービスを行っている。著書に「借入は減らすな!」(あさ出版)があり、雑誌等への寄稿も多数。銀行借入支援サイト「銀行借入ドットコム」を運営。

  • 2013年9月号 ブログ・アウトサイドストーリー88

    私にとってのSNS利用法 税理士法人ファシオ・コンサルティング パートナー税理士 公認会計士 鯨岡健太郎

    第14回ブロガーサミット

     

     2013年3月23日に開催された、「第14回税務会計系ブロガーサミット」に初めて参加させていただきました。

     参加のきっかけは、フェイスブックのイベントとして招待されたことだったと思います。後述しますが、私はSNS(Social Network Service)でのつながりをオフラインで実現するという機会をとても大切にしています。

     さらに、今回のテーマ「中小企業円滑化法終了! 消費税増税! これからの中小企業を守るための資金調達・経営改善を考える」が個人的に大変興味深かったことから、すぐに参加を決意した次第です。

     思った通り、ブロガーサミットでは多くの新たな出会いに恵まれ、本当に参加してよかったと思います。今回は一方的に情報を頂いてしまいましたが、いつかは何か発信できるような機会を得られたらと思います。

     今回のエッセイでは、私にとってのSNSの使い方について少し書いてみたいと思います。

    独立開業してみたものの……

     

     私は1998年に公認会計士第2次試験(当時)に合格後、大手監査法人に5年ほど勤務しました。入社当時は監査業務の奥深さに興味津々だったのですが、ある出来事をきっかけに税務の怖さと奥深さに目覚め、これはきちんと腰を据えて経験を積んでいかなければならないと決心し、系列の大手税理士法人に転籍しました。そこで6年ほど勤務し、2008年に独立開業しました。

     さて、いざ開業したものの、最初はどうやって生計を立てていったらよいのかと悩むばかりで、手探りの日々が続きました。この業界、お仕事を頂くにしてもご縁が大切ということで、すでに独立していた先輩や同僚などを訪ね歩きました。何とかお役に立つ機会はないものかと必死だったのです。そこでいくつかの案件を紹介いただき、それらをコツコツこなしながら半年ほど乗り切ってみましたが、およそ事務所の発展など望むべくもない、食っていくだけで精いっぱいという状況でした。

    情報発信の重要性に気づく

     

     そのようななか、大学時代の先輩税理士と偶然再会しました。彼は一般事業会社に在籍中に税理士資格を取得し、ゼロベースで独立開業して開業後3年で、80社程度の関与先と10名弱のスタッフを抱えるまでに大きくなっていました。

     彼の営業方針も基本的には「口コミ・紹介」だったのですが、それと同じくらい重視していたのが「情報発信」でした。ホームページに始まり、顧客に対しては毎月「事務所通信」として毎月のタイムリーな情報を提供。またメールマガジンやブログなどにも手を出していました。

     私とって、これは衝撃でした。思えば当時は、業務開拓といえば「口コミ・紹介」しかないものと信じ切っていました。こちらから情報発信するという発想はなかったのですね。

     確かに、関与先とのコミュニケーションツールにもなるし、私自身のこともよく分かってもらえるかもしれない。しかし、当時の私は根っからの筆無精でして(汗)、到底続けられないなあ……と思ったものです。ではどうしたものか。

     このときは思いもよらぬオプションが登場して決着しました。彼と私とで税理士法人を設立することとなったのです。実態としては、私が彼の事務所に吸収されるかたちになったのですが、情報発信機能については法人として行っていこうということになったのです。

    ツイッターとの出会い

     

     実は、私は今でもブログをやっていないのです。私が業務として情報発信しているのは、「事務所通信」に毎月フリーテーマでコラムを書くことくらいです。その時々の税務に関するニュースを中心にすることが多いですね。

     確かに、コラムを書くようになってから、お客様とのコミュニケーションが活性化された気がします。年に数回しか訪問できないお客様であっても、毎月の私のコラムは何となく記憶に残っているようで、話のきっかけになっているという実感があります。

     どちらかというと、事務所を離れた一個人として、ツイッターでくだらないことをつぶやいていることが多いです(笑)。

     本当に、最初はちょっとしたきっかけでした。入院したときに、暇つぶしでツイッターを始めたのですが、その後多くの同業者がツイッターを利用していることに気づき、徐々に会計・税務に関するツイートをすることが増えてきました。そうして、私のフォロワーに同業者や受験生などがどんどん増えていくという状況になっていきました。

     フォロワー数がグッと増えたきっかけは「オフ会」です。数年前、IFRS(国際財務報告基準)に関する議論が華やかだったころ、「IFRSを語ろう!」というオフ会が企画されまして、これに参加することにしたのです。

     実際のところ、ちっともIFRSの話など出てこず(笑)、ただ普通の飲み会だったのですが、そこに参加されていた方々との出会いは今でも宝物です。同業者である会計士・税理士の皆様はもちろんのこと、上場会社でCFOをされている方、会計士・税理士を目指している方などがざっくばらんに語り合っているのです。さまざまな年代、さまざまなキャリアを持った方々と一気に知り合うことができ、ここで私の交流範囲が一気に拡大したと思います。

     今回のブロガーサミットでも大活躍の松波先生とは、ツイッターのオフ会で初めてお目にかかりましたし、ツイッターでは長らくフォローさせていただいている木村先生にも、サミットで初めてお目にかかれて大感激でした。

     ツイッターはSNSの代表格ですが、オンラインのみならず、オフラインでの素晴らしい人脈の広がりが何よりの宝物です。現在ではフォロワー数も1900名を超えており、リアルにお会いした方も100名を超えている状況ですので、この関係は今後も発展させていきたいと思います。

     こんな感じですので、今のところ、ツイッター経由でお仕事を頂くというルートはあまり期待していません。

    フェイスブック

     

     ツイッター利用開始からほぼ1年後、フェイスブックも始めました。こちらも今のところ、業務利用はしていません。よりクローズなネットワークとして、ツイッターでは出せないような個人的な話や、興味のある話を中心にポストしています。

     ツイッターの利用法と少し異なるのは、私がセミナーや原稿執筆などをした際にはフェイスブックで告知をしていることです。限られた範囲での告知ではありますが、ビジネスパートナーやいろいろな出版社の方々にも見られていることから、少しでもアピールになればと思っているところです。

     ちなみに事務所としてもフェイスブックのページを作っているのですが、現在のところうまく活用できていないですね。情報発信ツールとして優れているので、テコ入れしていきたいと思います。

    おわりに

     

     私にとってのツイッターやフェイスブックは、まだまだ個人的な利用の域を出ていないのだと思います。ただそのなかでも、多くの素晴らしい人脈に恵まれ、少なからず業務にも結びついてきていることを考えると、もう少しビジネスに特化した利用法を考える時期が近づいてきたのかもしれません。

     今回のブロガーサミットでも、参加者の皆様がブログ等を有効活用されている状況を目の当たりにし、SNSとのつきあい方を見直すきっかけになればと思いました。

    鯨岡健太郎(くじらおか・けんたろう)

    税理士法人ファシオ・コンサルティングパートナー。公認会計士・税理士。1974年生まれ。

    1998年公認会計士第2次試験合格後、大手監査法人に入社。2002年公認会計士登録。2003年に大手税理士法人に移籍し、主に外資系企業に対する法人税務業務およびM&A関連税務業務に従事。2005年税理士登録。2008年に独立、2009年に税理士法人ファシオ・コンサルティングを設立し、現在に至る。

  • 2013年8月号 ブログ・アウトサイドストーリー87

    パソ通発、ホームページ経由、終点Facebook? 協同経理事務所(加藤公認会計士・税理士事務所) 加藤暁光

    財務専用コンピュータとの出会い

     

     私は監査法人勤務が長く、本当に「独立開業した」といえるのは2012年7月になりますが、実は1970年代後半には財務専用コンピュータに触れる環境にありました。協同経理事務所の創立は1973年10月で、それらのコンピュータが1978年頃には既に導入されていたのです。当時、私はまだ小学校5年生でしたが、左右に穴の開いたドットインパクトプリンタ用出力用紙に印刷された、数字とカタカナしかない仕訳モニターに定規を当てて、伝票との読み合わせをする手伝いをしていました。

    パソコンとの出会い

     

     高校3年生の時(1985年8月)に、顧問先から頂いたPC-9801VMが最初のパソコンでした。当初は財務専用コンピュータに付属しているワープロを使って趣味の自主製作ヒットチャートを作っていたので、私にとってパソコンは完全なゲーム機でした。クラスの9割が女子という、根っからの文系クラスにいたくらいなので、BASIC等のプログラミングはあまりしませんでした。

     公認会計士試験合格(1989年9月)後、監査法人に入社すると、それまで使っていた一太郎、Lotus 1-2-3が当然のように仕事に入ってきました。その頃は、初代98ノートがようやく30人近くいる監査部門に1台入ったという状態だったため、最初のボーナスをすべてつぎ込んで、ハードディスク(何と40MB)内蔵でi386プロセッサ搭載の、当時の感覚でいえば超絶的マシンを手に入れて、監査調書はほとんどそれで作るようになりました。

    パソコン通信と監査への活用

     

     社会人になるまでハードディスクやモデムを買うお金がなかったので、パソコン通信は最初のボーナスの時(1990年7月)に始め、その9割以上は趣味のSIGやフォーラム、草の根BBSやチャットにのめり込んでいました。当時は、仕事にパソコン通信を活用するという発想自体が社会全体に乏しかったですね。

     他方、当時はニフティサーブにCPAネットというCUG(Closed Users Group)があり、そこを通じて部門の先輩から法人内のパソコン通信を利用した「朝日オンラインクラブ」に誘われたので早速加入し、部活動、例えば、イーサネットをつなぐ実験やデータ・ダウンロード技法(現在のコンピュータ利用監査技法の嚆矢)の練習をしていました。本筋から外れるので詳細は省きますが、主に、汎用機のEBCDICという文字コードをパソコンのASCIIコードに変換するソフトがあったので、それを使って主に債権や在庫のデータを分析していたのです。

    インターネットとの出会い

     

     私は流行しているものにすぐには飛びつかないタイプだったのですが、周り中がDOSを使っていた時にWindows3.0を使っていたので、周囲より多少は早かったのかもしれません。つまり流行に飛びつきはしないけれど、いったんはまると早いのです。インターネットについては、プロバイダーとの契約が面倒なのと、Windows3.1にwinsockを追加するのが面倒だったので、Windows95が出る1995年11月まで様子見を決め込みましたが、それが出た瞬間にはまりました。しかし例によって、最初は仕事からではなく趣味からです。周り獣の同一趣味人がリムネットやベッコアメでホームページを次々に開くのに刺激を受け、パソコン通信にはない広がりを求めて、1996年1月にホームページを開設しました。

    成功体験が桎梏2

     

     ホームページは大好評で、たちまち多数の同好の士を呼び寄せることになりました。また、10を下らない雑誌に取り上げられ、ヤフージャパン発足と同時にクールサイトになり、業界人からも取材されたりしました。仕事でも遊びでも、人間、初期にそうやって成功してしまうと、逆に新しいものに手を出すのが億劫になってしまうものです。監査法人での仕事も財務諸表監査からシステム監査に移ったことも有り、次第にあまり新しいことにチャレンジしなくなっていきました。システム監査とはいっても、コンピュータ利用監査技法だけではなくて、昔ながらのヒアリング主体の監査が主流だったからです。

     旧日本軍が、航空機主体の近代戦の時代になっても日露戦争時代の集団突撃先方にこだわったのと同じで、当初の華々しい成功体験が仇となりました。まぁ、仮にそうでなかったとしても、監査法人勤務飲みでが積極的に情報発信する人はごくごく一部のスタープレイヤーに限られていたのも事実です。そのようなわけで、ブログやツイッターには見向きもしませんでした。唯一、ミクシィだけは2007年から比較的積極的にやったものの、それもほとんど趣味の範疇にとどまっていました。

    独立開業以降

     

     2012年6月、それまで23年間勤めた監査法人を退職することになり、従来、組織の歯車のひとつであればスタンドプレーに他ならないことに、逆に積極的に取り組まなければならないという、天地が引っくり返るような経験をすることとなりました。

     その時点でブログもツイッターもしていなかったし、ミクシィは完全に趣味(というより実名ではないので、ビジネス利用に向かない)でしか使っていなかったので、必然、フェイスブックを使って発信していくことになりました。とはいっても、監査法人時代とは全く畑の違う仕事ですから、まずは諸先輩方の投稿を謙虚に眺めることにしました。ブロガーサミットへの参加もその一環です。

    おわりに

     

     ブロガーサミットに参加されている皆さんのお話を聞いたり、実務経営ニュースを読んだりしていると、自分とは別次元の話ばかりでとても勉強になります。いずれ自分も皆様のお役に立てる文章を書きたいものだと念じて、これからも精進していきたいと思います。

     最後までお読みいただき、ありがとうございました。

    1(昔、中国で、開戦の合図に敵陣に鳴りかぶら(「嚆」は叫ぶ意)をつけた矢を射かけたことから)物事の初め。最初(三省堂大辞林より)。

    2(「桎」は足かせ、「梏」は手かせの意)行動・生活などの自由を厳しく束縛するもの(三省堂大辞林より)。

    加藤暁光(かとう・あきみつ)

    公認会計士、税理士、システム監査技術者その他もろもろで、某監査法人を早期退職し、さいたま市桜区にて開業しています。事務所自体は来年で創立40年ですが、私が関わりだしてからは14年です。ご興味を持たれた方、友達から始めましょう(ねるとんみたい)。よろしくお願いします。ホームページはこちら

     

    趣味は自主チャートづくりで、三十数年やっています。ホームページ「チャート梁山泊」を17年間続けており、2013年で18年目に突入しました。チャートマニアの方からのご連絡もお待ちしています。

    http://www.os.rim.or.jp/~katokiti/

  • 2013年7月号 ブログ・アウトサイドストーリー86

    私のブログ(SNS)活用方法 税理士法人いび会計センター 代表社員 税理士 国枝宗徳

     皆さん、こんにちは。岐阜県揖斐川町にある、税理士法人いび会計センターの代表を務めている国枝宗徳と申します。代表に就任して、今年で4年目になります。ようやく、代表者として認識され始めたかなと思われる昨今です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

     現在はブログの更新を行っていませんが、3年ほど前までは、頻繁に更新していました。それを回顧していきたいと思います。ブログが続かないひとつの例として、参考にしていただければと思います。

    ブログを始めたきっかけ

     

     ブログを始めたきっかけは、同じ趣味を持つ、顧問先のある社長がブログを始めたことでした。ちなみに私の趣味のひとつにクラシック音楽鑑賞があります。それと共通した趣味を持つのがその社長でした。

     「先生、ブログ始めましたよ! いろいろと見ていたところ、ヤフーブログ、使ってみるとなかなか使いやすいですよ! あまり広告も入らないし、レイアウトもきれいだから!」と、ヤフーブログに記事を掲載しているところを見せてくださいました。「先生、ブログを始めようしているならお薦めですよ」と。以前から、ブログブームということもあり、やってみたいなあと思っていた私は、社長の言葉を聞いた直後に、ブログ作成を開始したのです。

    多くの方にブログを知っていただく

     

     社長には、すでに交流のあるブロガーがいらして、そのブロガーさんたちに、私のことを紹介してくださったのです。「私が仲良くしているブロガー」というような内容でしたね。それをきっかけに、全くアクセスのなかった私のブログページが、徐々に見ていただけるようになってきました。

     やはり、誰かに見ていただける、そしてコメントをいただけるというのはブロガー冥利に尽きます。ヤフーブログの面白い仕掛けであるアバターを、いろいろ変化させることでメリハリをつけたり、デザインを変えて楽しんだりしました。

     ブログ記事に対して、読者から何らかの反応が返ってくるのはとてもうれしいものです。そして、記事や写真をほめていただけると、さらにうれしいものです。時が経つのも忘れ、ついついはまりこんでしまいました。深夜まで「ブログ記事を書く」「他のブロガーさんの記事に対してコメントする」「コメントされたものに対してコメントを書く」という、ブログ漬けの毎日を送っていたこともありました。

    ブログを書く目的は?

     

     「ブログに何を掲載するのか?」「何のためにやるのか?」という質問に、「営業=顧問先拡大を主要な目的に使っていたのではなかった」と答えます。ブログをやる目的は、ひとつには絞り込めません。ひと括りにするならば、自分が伝えたい多種多様なことを、写真と文章を交えながら「公開」することでしょう。

     多くの方に見ていただいて、評価をしていただくために、まずは身近にブログを始められた方がいたのはよかったと思います。でなければ、すぐに挫折してしまったことでしょう。

    税理士法人いび会計センターについて

     

     私の運営する事務所「税理士法人いび会計センター」は、地元揖斐川町を基盤とする事務所です。当事務所の収入の約2分の1は、揖斐川町にある企業さんから得ています。揖斐川町は人口2万4000の町であり、当事務所の周りは田んぼがかなり目立ち、近くには800メートル級の山が聳えているというところであります。そのような事務所環境にありながら、事務所のスタッフ数は14人を数え、大垣税務署管内では有数の規模にあります。これは、地元の企業さんの支えと、事務所スタッフの献身的な働き、そして創業者である父のリーダーシップと先見の明、地元への深い郷土愛によるものでありましょう。

     それらが伝わってくるようなブログを書きたいというのが、ひとつ眼目にありました。

    ブログで伝えてきた内容

     

     ブログは、いつでもどこでも見ることができるというメリットがあります。私のブログでは、父の郷土愛を引き継ぎ、そしてエッセイが得意で、毎日のように日記をしたためている母の血を受け継いだものであるように思います。

     ですから、揖斐川町の主なイベントである、5月の「揖斐祭り」、8月の「いびがわの祭り(ありがとう花火)」、11月の「いびがわマラソン」に関する記事については必ず紹介していました。ほぼ3カ月おきにある地元の行事。これらイベントのたびに、あれ? 揖斐ってこんなに人がいたのだなあというくらい、多くの人が集まってきます。揖斐川町出身で遠くに住む方々に対しても、子供のころ楽しんだ郷土の祭りはどうなっているのかなという思いで見てくださるといいと思います。そのような郷土の様子を伝えるブログを展開してきたつもりでいます。

     あと、四季折々の揖斐川が醸し出す風景。ブログは、写真を織り込むことで説得力が増していきます。それを文章で表現するということも、私の楽しみのひとつでありました。とりわけ揖斐川町谷汲の華厳寺の山門前に立つと、四季折々の風情がとても色濃く感じられます。春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色など、飽きさせない魅力があります。観光地としての谷汲山華厳寺をもっと知っていただきたいということもありました。

     そのほかに、自分の趣味であるクラシック音楽鑑賞についての話題。とりわけ、クラシック音楽という共通の趣味のおかげでブログのお友達ができ、それをきっかけに素晴らしい音楽祭に出会えるという収穫もありました。毎年夏に松本で行われる、「サイトウキネン」音楽祭です。音楽監督は世界的マエストロの小澤征爾さん。世界的な水準の音楽を夏の松本で味わえるのですね。これは、ブログをやっていなければ、知り得ないことでした。

     私は中日ドラゴンズのファンでもあります。ドラゴンズは、たびたびセ・リーグを制覇することはあるのですが、なかなか日本一になることができませんでした。死ぬまでに一度くらいドラゴンズの日本一が見たい! その思いがかなった日本一の喜びを、落合監督賛歌とともにブログに載せて共感を得たことも忘れられぬことです。

     また、お客様なしでは私たちは成り立ちません。お客様を紹介することも、ブログではやっていました。ただ、顔写真を撮らせていただけるお客様ばかりではなく、かなり顔写真となると嫌な顔をされるのですね。私は、相当顔写真を載せていますが、ホームページにスタッフの顔写真があると安心するでしょう? ただ、あまりお客様には喜んでいただけなかったのかもしれません。恥ずかしながら、載せさせていただいたお客様の多くは、今は私たちの顧問先ではなくなってしまいました。

     会計事務所のお仕事の話もあるべきでしょうから、当時の税務署のPRのようになりますが、「電子申告ってこんな感じなのですよ!」といったことについて写真を多く用いて説明したりしていました。当時は、あまり電子申告は広まっていなかったと思いますが、最先端のことを伝えていきたい、時流に乗ったことを話さなければならないという認識を常日頃から持ちながら、税理士業務をやっています。

    なぜ、ブログがストップしてしまったのか?

     

     なぜブログの更新がストップしてしまったのかといいますと、ブログを通じて、質の高い友好的な交流がやりたかったのに、それが思わぬ方向に向かってしまったことが挙げられます。

     ブログの匿名性ゆえに、よからぬことをされる方もおられるのですね。ブログを始めるきっかけを作ってくれた顧問先の社長ともそれが一因となって、仲が悪くなってしまいました。残念なことに、ブログのこともあって顧問契約解除に。

     コメントや、多くの方からの閲覧を期待してのブログ運営に疲れてしまいました。それに、ブログの匿名性に不信感を持ってしまったことも。

     「ブログ=更新を常日頃からしないといけないもの」という呪縛から解き放たれることができず、負担感ばかりが積み重なったために、更新がストップしてしまったわけです。

    現在は、フェイスブックのみです

     

     現在、SNSとしては、フェイスブックのみを活用しています。「いいね!」を気軽につけていけるのがとてもよいと感じます。コメントをしなくても見たことが分かるのは、便利な機能です。2年前に入会した「いび倫理法人会」の広報に使っていますが、当事務所のものは使用しきれていません。今後、セミナー告知にも積極的な活用をしていかなければと考えています。フェイスブックは匿名性が排除されて、リアルの友達が実名で登録されているのがよいと思います。名刺代わりにもなりますので、自分のプロフィールを詳しく掲載しています。私がどんな人物か、フェイスブックを閲覧いただければお分かりいただけるはずです。

    国枝宗徳(くにえだ・むねのり)

    昭和43年8月生まれ。岐阜県揖斐川町出身。中央大学商学部会計学科卒。税理士法人いび会計センター代表社員。税理士。税理士会において、調査研究部に4年間在籍。納税者の視点を大切にした税制に対する提言をまとめる一員として活躍している。「税を身近に」ということを常に考える税理士である。また、「経営者の心の成長なくして、企業の成長なし」との観点から、経営者として心を磨くため、2年前にいび倫理法人会(社団法人倫理研究所)に入会。毎週水曜朝6時からの勉強会参加を継続中。同会の専任幹事を務める。趣味はクラシック音楽鑑賞、旅行、古い町散策、野球観戦など多彩。学生時代は男声合唱部に在籍していた。毎年TDRに行くほどのディズニー好きである。

     

    税理士法人いび会計センタ-

    昭和47年、現会長の国枝隆氏が開業。平成16年11月、税理士法人設立。スタッフ数は17名。地元出身者が多数を占めるなか、最近は兵庫県、静岡県出身者も加わり、多様な人材がそろう。「お客様の喜びこそ、私どもの喜び」を実践しようと日々努力している。会計税務の枠を超えて、お客様の経営をサポートできるよう邁進し、「お客様の売上増進、利益増」に貢献できる事務所づくりを進めるため、「企画塾」の増販増客センターの一員である。

  • 2013年6月号 ブログ・アウトサイドストーリー85

    「第14回税務会計系ブロガーサミットin 東京新宿」を終えて 佐藤亜津子税理士事務所 代表税理士 佐藤亜津子

     去る3月23日、無事に第14回税務会計系ブロガーサミットin東京新宿が終わりました。お忙しい中、総勢35名の方々にお集まりいただきました。まずはこの場で感謝を述べさせてください。ありがとうございました!

     今後もブロガーサミットが続いていくように、私の幹事としての舞台裏を明かしてみたいと思います。ますますこの会が盛り上がっていきますように。

     

     前幹事の不破さんからご連絡いただいたのが、第13回が終わった直後、9月末のこと。ブロガーサミット(以下ブロサミ)は、幹事が日程・会場・内容・次期幹事の全てを決めることができるルールになっていると聞いていたので私に選択肢はなく、この段階で首都圏開催が決まりました。そして、そこから過去に行われたブロサミの開催地・テーマを確認し、まずは日程を決め、会場を押さえました。よし、これで最初の一歩。

     続いて、内容をどのようにするか考えました。直近のブロサミのテーマを振り返ると、

    • 第13回 岐阜「ブロガー交流会」

    • 第12回 高岡「会計事務所の伝える力」

    • 第11回 さいたま「ニッポン復活サミット」

    • 第10回 大阪「税理士業の未来形」

    と、それぞれ幹事の方々の個性が溢れる内容です。さて、どうしたものか……。

     私が当初考えていたのは、

    • せっかく大勢の方にお集まりいただくのだから、今後のために何か持ち帰ってもらえそうな内容にしたい

    • みなさんの興味のあるテーマにすることにより、今まで参加したことがなかった人たちにも参加してもらいたい

    という2つでしたが、そこで思考が止まってしまい……。そのまま繁忙期に突入してしまいました。刻一刻と迫る開催日……。もういい加減間に合わない! ということでアドバイスいただき、ようやく決定しました。

     

    「中小企業円滑化法終了! 消費税増税!これからの中小企業を守るための資金調達・経営改善を考える」

     同時に講師の方を探すことに。ここでもまた苦戦! 無理を言って吉田学先生にお願いすることになりました。

     第2部の会場も「せっかくだから、夜景のきれいな『THE東京』のイメージがいいなあ」「気兼ねなく交流できるように、個室がいいなあ」と探しに探し、第1部の会場からは遠いけれども、もうそこは許していただこう! となり……。会費もまた独断で決定。

     残るはいかに多くの方にご参加いただくか。

     このブロサミがスタートしたときはブログ最盛期でしたが、その後はツイッター、フェイスブックなど、ブログ以外のサービスで情報発信をする方も増えました。私も含め、今はフェイスブックでの投稿が多いようですので、イベントを作成、みなさんに告知、メッセージする方法を中心に参加を募りました。

     公式ブログも更新です。ライブドアブログは使ったことがなく四苦八苦しましたが、なんとか更新。もうあとは細かい準備をしながら祈るのみです。

     さて、当日のお話をさせていただきます。好天にも恵まれ、みなさん続々とお集まりいただ

    きました。

     ここで、痛恨のミス! 実は、私は司会進行について、何も準備せずにいたのです。しまった、ただでさえアガリ症なのに……。結果は実際参加されたみなさんはご存じのとおり……。

    それでも場の雰囲気に助けられました。

     まずは第1部。名刺交換からスタートです。大勢の方々と懇親を深めるのが最大の目的ですから、最初の段階で緊張をほぐしていただこうという作戦です。しかし、さすがはブロサミ。みなさんすでにお知り合いの方も多く、盛り上がりすぎて予定時間をオーバーしました。あまりにも盛り上がっているので、このまま30分くらい続けていようかと考えたくらいです。

     その後、協賛会社の皆様のご紹介とご挨拶を。皆様それぞれの立場から、会計事務所を、中小企業を応援していこうという気持ちに溢れていました。本当にありがたいものです。

     そして、いよいよ吉田先生のご講演です。この日のために本格的なレジュメもご用意いただき、税理士がいかに頼りにされているか、今何をすべきかをお話ししてくださいました。

     銀行が法人をどのように評価するのか、国の政策がどのような方針になっているのか、それを理解した上で、やはりいかに売上を上げるか。「リスケや条件変更が事業再生のゴールではない」という言葉がとても印象的でした。

     また、ブロサミのメンバーで、新たな試みとして「銀行対策特化型会計事務所ネットワーク」を構築する活動をしている松波竜太先生、木村聡子先生のお話を伺いました。第1回幹事であり、このブロサミ発起人でもある木村先生の「このブロサミのような、緩やかな横のつながりが今後の会計事務所、中小企業支援のために重要」という力強い言葉が印象的でした。

     最後に吉田先生、松波先生、木村先生と、このブロサミのもう1人の発起人、大林茂樹先生を交えてディスカッションをしました。私が用意した質問は3つ。

    • 消費税に関連して、大きな設備投資をするときに、消費税率が上がる前・上がった後のどちらがよいかという質問にどのように答えていますか?

    • 業績のよい会社に対して、銀行融資の営業が頻繁に来て、「いくらでもご融資します」という話があることがありますが、全て受け入れたほうがよいのでしょうか?

    • 業績が上がらない会社に対して、今後も見込めない場合、いかにソフトランディングさせるかという考え方がありますが、「どのタイミングで」「何を基準に」助言するべきでしょうか?

     それぞれの方から、とても考えさせられる回答をいただくことができました。

     また、途中質問を受け付けたのですが、その質問された方のクライアントが実際に遭遇されている内容で、とても複雑な案件でした。いかに会計事務所がクライアントに頼りにされているか、いかに現実が複雑化しているか、大変象徴的だと思いました。

     第1部を無事終了し、第2部大懇親会へ! 下見をする時間も取れなかったのですが、料理もおいしく、大盛り上がりでした! ご挨拶にいくたびにお酌していただき、いやはや、楽しい時間はあっという間に過ぎました。こればかりはぜひ会場で体感していただきたいと思います!

     そして第3部はカラオケ大会! あの先生がAKB48を、この先生がアニメを、とみなさんの意外な素顔に驚き、笑いながら東京の夜は更けていったのでした。

     

     次回は大阪開催ということになりました。幹事は自ら立候補をしてくださった白川浩先生に決まり、ほっと一息ついたのはいうまでもありません。今度は参加者のひとりとして大いに楽しんで、みなさんと交流を深めることで、さらに会計業界を盛り上げ、中小企業の発展に貢献できるようにしたいと思います。

     本当にありがとうございました!

    佐藤亜津子(さとう・あつこ)

    税理士。横浜出身。平成14年2月、29歳で「佐藤亜津子税理士事務所」を開業。起業5年以内の創業期の法人・起業家を中心に60業種、延べ100件以上の実績を持つ。資金も人材も余裕のない会社の「社外財務担当」として資金調達、経理合理化支援などさまざまな貢献をもたらす。税理士らしからぬ「底抜けの明るさ」で相談しやすい一方、たとえ社長相手でもはっきりモノを言い質の高さはもちろん、対応スピードは業界随一と評判である。自らが制作するポッドキャスト(インターネットラジオ)「今さら聞けないココだけの起業の話」は登録数8000番組あるiTunes storeビジネス経営マーケティング部門で常にトップ50位内、最高で3位にランクインしている。平均年齢60歳代、女性の割合がわずか12.7%の税理士業界では若さとキャリアを併せ持つまれな存在である。プライベートでは、ロックをこよなく愛する3児の母。

  • 2013年5月号 ブログ・アウトサイドストーリー84

    スマートフォンのスマートな活用方法 山本祥嗣税理士事務所 所長 税理士 山本祥嗣

     私は平成24年7月に地元の田舎町で開業しました。独立開業にあたっての情報発信にフェイスブックを活用しています。そこで知り合った方を通じ、岐阜でのブロガーサミットに参加する機会に恵まれました。「エッセイを……」というお話を頂いて悩みましたが、少しブログ活用の話題を離れ、スマートフォンについて最近思ったことを書いてみたいと思います。

    ある日、電車の中で

     

     ある日電車に乗ろうとした私は、愛用しているスマートフォンを自宅に忘れたことに気付いた。

     戻る時間はないので仕方なく電車に乗り、つり革をつかんで通路に立ちながら、手持ち無沙汰に車内広告や車窓の景色に目を向ける。ふと、目の前の女性が持つスマートフォンに目が留まる。デコレーションされたケースに覆われたそれを両手で包み、長い爪をよけながら、親指の腹を縦横にスライドさせている。フリック入力で「電車なう」といったところか。その隣には、学生と思われる青年。スマートフォンを顔の前にかざし、高速で画面を指でたたく。何かのゲームだろう。その隣には、サラリーマンが右手のそれを眉間にしわを寄せて眺める。その隣には女性が。左手に開いた本を持ち、右手で何やら入力中だ。その隣にも、その向こうの人も。偶然なのか、このベンチシートに座る8人が全員、顔の前にスマートフォンないし携帯電話を掲げている。電車の床から1メートルほどの高さに、おのおのに飾られたスマートフォンたちが横一列に並ぶ。8人はおおむね無表情で、わき目も振らずその四角い領域に焦点を合わせる。その光景はあらためて、不気味に思えた。

     そういう自分はどうか。普段なら電車に乗ってから降りるまでの間、左ポケットのスマートフォンを取り出し、まずメールチェックから。独自ドメインのメール、Gメール、各種メルマガやメーリングリストなどすべてこの手のひらの中に集まってくる。次にフェイスブック、LINE(ライン)、ブログなども更新。日経電子版で新聞記事も紙面のまま読めるし、気になることはSafari(サファリ)を立ち上げて検索。乗り換えがあるなら次の電車を検索。天気が気になれば検索。銀行残高にセール情報、ニュースや為替・株の値動きに。ひとしきり終わると、新着アプリや税務会計に関する新刊図書のチェックもしたい。地元から名古屋駅まで約30分の電車の旅だが、仮に2時間あっても退屈しない自信がある。

    会計事務所の業務にスマートフォンを活用したい

     

     私は税理士になる前、新卒でシステム開発の会社に入社した。公共システムやクレジットカード会社の会員サイトなど、いくつかのプロジェクトを経験し、人がシステムを活用して事務処理を進める仕組みづくりに携わった。その流れから、自分で事務所を立ち上げるなら、ICT(※)に力を入れようと思ってきた。パソコンもさることながら、スマートフォンを操ることは、実験であり、研究であり、試作であり、まあ、趣味でもあった。

     スマートフォンでのメール、グーグルカレンダーの共有はもちろんのこと、もらった名刺も名刺管理アプリに登録すれば同時に電話帳にも登録される。最近感心したことは、スキャナーアプリが進化していたこと。書類をカメラで撮影すれば、エッジを認識して切り取り、斜めになっていても縦横を補正し、明るさとコントラストで読みやすくして保存してくれる。昔は、コピー機のないお客様のところへ小型のコピー機と紙を抱えてお邪魔したそうだが、スマートフォン1台でほぼ同じことができてしまう。スキャンしたデータはドロップボックスなどのクラウドストレージを活用すれば、事務所で同時に入力を進めることもできる。

     スマートフォンに限定しなければ、お客様が別途使っている請求ソフトやインターネットバンキングなどの外部データを活用することもできる。これまで手入力してきたことに比べれば、一定の効率化が見込めるだろう。一部のベンダーのソフトでも対応しているし、少し知識があれば、会計ソフトへの取り込みデータを自動で生成することも可能だろう。

     スマートフォンをはじめICTは日進月歩の進化をしており、今日に明日に、新しい便利なアプリや新技術が紹介されているといっても過言ではないだろう。常にアンテナを張り、自分やお客様に有益な情報をキャッチして吟味する。実験して成果を見極め、必要な人に届ける。何事もそうではあるが、新しいものへの取り組みの積み重ねが、差別化につながると信じている。

    ※ Information and Communication Technology(情報・通信に関連する技術の総称)

    スマートフォンに喰われる?

     

     常にアンテナを張る。今日のインターネット上に流れる情報のすべてにアクセスすることは到底できないけれど、少しでも多くの情報に目を通そうと思ってきた。その結果、日常生活においてスマートフォンをいじる時間がどんどん増えてしまった。朝の犬の散歩の時から、昼休み、自宅で過ごす時間、幸いにも防水ではないので入浴中は除き、寝る前の布団の中まで、自由時間の多くをスマートフォンに費やしていた。

     ある日、妻とのつまらない口論の中で指摘を受けてはっと気付く。スマートフォンに向き合う時間は家族との会話を奪う。スマートフォンに向き合う自分は、はたから見ると何をしているのか分からない。仕事をしているのか、遊んでいるのか、悩んでいるのか、楽しんでいるのか。私も、電車の中で見た横一列の一人なのでである。スマートフォンは自在に私を操り、すでに私の家庭に口論という小さなくすぶりを生んでいた。

     「マトリックス」という映画を思い出した。我々が現実だと思っている世界が仮想現実であり、本当の現実は別のところにあると。そこでは人間はエネルギーを放出するためのいわば家畜であり、人間が作り出した人工知能に支配されている、という話だと理解しているが、それに通ずるところを感じた。私のスマートフォンは、あちこちのアイコンに赤丸の数字を付けて私を誘う。メールの書き出しを通知領域にちらっと見せて私を誘う。ここ掘れワンワン? こっちの水は甘いぞ? 操っていたつもりが、操られていたともいえる。スマートなのはスマートフォンであって、私ではなかったようだ。

    新しい取り組み

     

     改善案として、スマートフォンは自宅では固定電話化することに。自宅内の一定の場所に充電器でつないでおくというルール。ふと会話の中でよく知らない言葉が出たりすると、もう手が反射的にスマートフォンを探してしまう。もちろん、あとで調べるのだが、使う時間にメリハリをつけるようにしようという試み。

     スマートに操れるようになるにはまだ時間がかかりそうですが、ICTとの上手な付き合い方、膨大なインターネット上の情報のさばき方や、プライベートの楽しみ方も、これから研究すべきテーマですね。

    山本祥嗣(やまもと・しょうじ)

    昭和50年愛知県生まれ。大学卒業後、システム開発の経験を経て税理士試験に挑む。平成19年より税理士法人プライスウォーターハウスクーパースにて外国税額控除、タックスヘイブン(租税回避地)、移転価格税制といった国際税務コンサルティングサービスに従事したあと、平成24年7月より山本祥嗣税理士事務所を開設。ICTに強い事務所を目指して鋭意模索中。

     

    Facebook

  • 2013年4月号 ブログ・アウトサイドストーリー83

    私のSNS 活用方法 勝野弘志公認会計士事務所 所長 公認会計士・税理士 勝野弘志

    ブログとの出会い

     

     平成19 年7月の独立開業以来、早いものでもう5年が経ちました。独立を決意してから半年の間は準備期間、まずはホームページを作成し、税務会計情報発信用としてライブドアブログを始めました。これが私のブログとの出会い、SNS活用の第一歩となりました。

    現在のSNS活用の概要

     

     その後、ライブドアブログから始まりFC2へ引っ越しましたが、アメブロが検索に強いらしいということで、アメブロを個人の趣味ブログとして始めるという移り気の多さは、私の性格なのかもしれません。現在はFC2とアメブロは休止状態で、独自ドメインの下にワードプレスで3つのブログをぶら下げて運用しています。SNSでは、フェイスブックとツイッターを中心として、主にそれらからブログまたはホームページへの誘導をするために活用しています。

    独立当時のブログ活用方法

     

     独立当時はライブドアブログで税務会計情報を発信していました。しかし、発信といってもなかなか骨の折れる作業です。なんといっても税務情報は法律情報ですから、間違えたり誤解を与えるような書き方ではいけません。さらに、会計や経営・コンサルティング等の情報は、逆に守秘義務の観点から、深いところまでは書けないということもあります。あるいはそれがその人のノウハウそのものであると、ノウハウの流出になってしまいます。

     そのうち国税局のホームページが充実してきて、我々末端の税理士が発信できる有用な情報とは何だろうかというような、そもそもブログを書く理由という壁にぶつかります。これはブログ等で情報発信して自身を知ってもらおうとする会計人にとって、避けることのできない道なのかもしれません。

     ブログを書く目的のひとつとして、会計人としての人となりを知ってもらうということがあります。士業はちょっと敷居が高いと思われる職業ですから、実はこんな趣味があるとか、日常生活の一部を表現するとか、そういった使い方で「親しみやすい士業の先生」という印象を与える方も多いと思います。

     私もその方向に、とも思ったのですが、たったひとつのブログで「有用な情報の発信」と「私ってこんな人」という情報を入れこんでしまうことに、なんとなく抵抗を感じていました。そこで、自分の人となりを知ってもらうための個人用ブログをアメブロで始めました。

     ライブドア(のちのFC2)で有用な税務会計情報を、アメブロでと私の人となりを発信し、それぞれの記事を公式ホームページへリンクすることで、ホームページの被リンクを稼いで検索順位対策とする――。これが当時のブログ活用の主目的でした。

    ツイッター、フェイスブックの登場

     

     事務所の移転を決めた開業4年目(平成22年)、とある経営者の会でツイッターと出会います。私が住んでいる桑名市はIT先駆地域で、ツイッターをはじめとしたSNSをビジネスに活用していくための仕組みや勉強会が当時から既に立ち上がっていました。

     そこで知り合った経営者のお誘いで、ITをビジネスに活用していくための勉強会に参加しました。IT意識の高い個人事業者や経営者との交流を深めていくなかで、いくらITやSNSといっても基本は人と人との関係性なのだと痛感しました。

     その後はフェイスブックの登場です。実名主義のフェイスブックが日本で本当に浸透するのか、というような議論もありましたが、問題なく受け入れられた感じがあります。私も平成22年にフェイスブックに参加し、そこでの出会いや交流を通じて、自らの思考や信念を自分の周囲の人々に伝えることができました。このインフラがなかったら今ごろどうなっていたのだろう? といつも感じています。

    ブログがおろそかに……

     

     特にフェイスブックは短期的に爆発的に普及していきました。私の周りでは、ほとんどの人が登録しています。ビジネス用アカウントであるフェイスブックページも簡単に作成でき、さらには検索にもめっぽう強いなど、これをビジネスに利用しない手はない! というくらいの勢いでした。

     士業、特に税理士という職業は、高級商品を販売する業態であると考えています。購入に至るまでには「信頼関係の構築」という何段階ものステップを踏む必要があります。つまり、不特定多数を対象とする商売というよりは、特定の関係者からの紹介を中心とした販売促進が適切であると思います。その意味では、特定の個人との信頼関係を前提としたフェイスブックは、税理士向けのSNSであるといえるでしょう。

     特にフェイスブックは完全に実名主義ですので、信頼感があります。時間がなくても、地理的に遠い友達であっても、PCの前で会える。しかも毎日でも。私は、フェイスブックは時間と空間を超えるコミュニケーションツールだと思います。

     その結果、これまでのFC2で発信していた専門情報はフェイスブックページで発信し、アメブロで発信していた個人情報はフェイスブック個人アカウントで発信するようになりました。これまでの、ブログ発信による公式ホームページへの被リンクで検索順位対策とするという目的から、より人間的なお付き合いをする場所としてのSNS利用というように目的が変わっていきました。

    コンテンツは独自のブログやホームページに集中させるべき

     

     SNSというのは基本的に無料です。無料だからこそのリスクもあります。フェイスブックもいつ有料になるか分かりませんし、蓄積していた記事データがクラッシュしても文句は言えないのです。

     このようなリスクに対応するためには、過去に発信してきた情報の保護を、すべて無料のSNSに頼っていてはいけません。やはり独自ドメインの元にホームページやブログを設定し、そこにコンテンツをしっかりとため込んでおく。バックアップもしっかり取る。そのうえで、フェイスブックやツイッターなどのSNSツールで個人間の良好な関係を構築しながら、そこからホームページやブログに誘導する。これが本来あるべきSNSの活用法なのではないか、そのように今は考えています。

     アメブロなども商用禁止となり、予告なく突然アカウントが削除されるケースもあるようです。外部の有名なブログサービスは読者がつきやすい面もありますが、やはり独自ドメインでのブログ運用はデメリットが少ないといえます。

    独自ドメインで3つのブログを運営している理由

     

     以前は、検索順位対策としてたくさんの被リンクがあることが重要だったそうですが、最近は少し違うようです。ポイントは3つ、

     

    • テキストの量

    • 更新頻度

    • アクセス数

     

     といわれています。自分の公式ホームページの検索順位を上げたいのであれば、まずこの3つを頭に入れておくべきだとSEOに詳しい友人が教えてくれました。

     外部の有名なブログサービスやフェイスブック等にいくら情報発信して記事をため込んでも、上記の3つに影響は全く与えないのです。

     そのため私は、独自ドメインに公式のホームページのみならず、公式のブログ・セミナー情報発信のブログ、個人の趣味を発信するブログ、この3つをぶら下げて運営しています。3つともワードプレスで作成していますが、やはりウェブ戦略上は1目的に1サイトというのが原則のようです。3つの運営は大変ですが、目的が違うものをひとつにまとめてやっても意味がないし、ターゲット(訪問者)が迷ってしまいますから。

    まとめ

     

     今の時代は情報があふれる時代です。情報があふれる時代とは何か? それは、何かを買おうと思っている人は、売り手を自分で探しだす時代だ、ということです。それほど、検索エンジンというものが発達してきたといえます。

     では、売り手はどうしたらよいのか?

     答えは簡単で、買い手がほしいと思っているもの、あるいはほしいと思っている情報を、しっかりと発信していくことです。これは税理士などの士業も同じだと思います。

     お金も時間もノウハウもない個人事業主が勝つためには、大企業よりも早く、そしてコツコツと実績を積み重ねるしかないのです。これからもそれを地道にやっていきたいと思っています。

    勝野弘志(かつの・ひろし)

    勝野弘志公認会計士事務所所長。両親の事業失敗・倒産を目の当たりにし、中小企業経営者には「数字力」と「参謀役」が必要不可欠と痛感。社長の右腕となるべく公認会計士・税理士の道を選ぶ。知っているものだけが得をするこの世の中、「中小企業の経営者が賢くなるための基礎」を提供することを使命として活動中。座右の銘は「袖触れ合うも多生の縁」。

     

    事務所HP

  • 2013年3月号 ブログ・アウトサイドストーリー82

    三重県東紀州からの情報発信「税理士の使命とブログの可能性」 税理士・FP 塩谷真人

    私のブログの根底にあるもの

     

     私には忘れられない思い出があります。それはまだ名古屋市内の会計事務所に勤めていたときのことです。

     平成19年のサブプライムローン問題に端を発した、米国の不動産バブル崩壊。世界的に景気が悪化するなか、日本の中小企業も例外ではなく、私たちのお客様である中小企業の経営者の皆さんも苦しんでおられました。

     さらに追い打ちをかけるように、平成20年9月、リーマン・ショックが起こり、世界的な金融危機に突入したのです。

     「明日には仕事がなくなる」

     従業員を抱える経営者さんの苦悩を耳にしても、どうすることもできないつらさ。

     「日本経済の根っこの部分を支える中小企業を元気にしたい」

     そのような思いで税理士を志してこの業界に入ったものの、世界的な不況を前に何もできない自身の力のなさに愕然としました。

     そんな最中、私の知人にあたる中小企業の経営者さんが自ら命を絶ちました。製造業を営む方でしたが、世界的不況の影響により、それまで順調だった経営が瞬く間に傾いてしまったのです。

     その方のお宅に伺った際に目にした小さな骨箱。何もできなかった自分が悔しくて、号泣しました。そのときに誓ったのです。

     「もう二度とこんな悲劇を繰り返してはいけない。力をつけてやる」と。

     そのときに垣間見た、残された家族の苦悩、中小企業の経営者や個人事業主が経営に行き詰まるとどうなるか、という現実。中小企業を経営するということはまさに命がけの戦いなのだと痛感しました。

     その後は資金繰り、資金調達、倒産および自己破産に関する書籍を読みあさりました。ただ、倒産や自己破産にまで行き着いてしまうと、税理士にとって実務処理のアドバイスを行うことは難しく、その道に精通した弁護士などの専門家に橋渡しをすることがベストだという結論に至りました。

     いかに普段から、中小企業の経営者さんに世界的大不況のような緊急時に対する備えをしていただくか、危機感を持って経営を行っていただくか。そのようなアドバイスができるのは、なかんずく、外部から冷静に企業を見ることができる税理士以外にいないのではないでしょうか?

     税理士として、そういった命がけで戦う経営者の方々に、どのように関わることができるのか? どういった有益な情報を発信できるのか? 私のブログの根底にはそういった思いがあります。

    営業のツールとして

     

     私はいわゆる2世税理士ですが、名古屋で修業した後、地元に戻りました。父の事務所では、相続税申告に特化しているにもかかわらず、個人事業主・法人合わせて約100件の顧客を抱えている状態でした。大変ありがたい話のように思えますが、その顧客の代表者は、父と同世代かそれ以上の世代の方々ばかりです。

     地方ならどこも同じような悩みを抱えていると思いますが、私の住む三重県東紀州エリアも例外ではなく、事業をされている方は後継者問題で悩んでいます。なかには立派な後継者が育ち、明るい未来の展望のあるお客様もいらっしゃいますが、顧客の大半は後継者がなく、10年後、20年後事業を続けていらっしゃるか分からないような状態です。

     つまり、今の顧客を守りつつ、徐々にでも若い世代の顧客を増やしていかなければ、将来的に事務所の存続すら危うい状態に陥る可能性があるのです。

     しかし、私が所属する尾鷲支部には税理士が17名しかいないという状況です。営業をする際は、ほかの税理士の先生にも配慮が必要になります。

     そういった意味でブログという手段を使い、比較的若い世代にターゲットを絞って、柔らかい形の営業活動を行っています。最近は共感コメント、メッセージ等、多数の反響をいただき驚いています。

     また、街でも意外な人から「ブログ読んでるよ」とお声をかけていただけるようになりました。ブログを始めてまだ1年半ですが、少しずつ読者が増えていっているのが実感できます。

    初めてあった問い合わせ

     

     ブログを書くということはある意味、世界中の方に読んでいただけるチャンスがあります。

     現に私のブログは国内で月間4500以上のユニークユーザーからのアクセスがあります。米国、韓国、中国を始め、月間100以上の海外ユニークユーザーからもアクセスがあります。

     ただ、現実にお客様になっていただくことを考えると、遠くても片道1時間程度の距離にお住まいの方に限られてくると思います。そういった意味で、いわゆる見込み客は私の事務所の場合、わずか3万8000人。何十万人、何百万人という商圏人口がある事務所に比べ、圧倒的に不利と感じていました。

     ブログを始めた当初は、取りあえず3年続け、3年間で3件の問い合わせがあり、うち1件成約できれば成功と、漠然と目標を定めていました。

     ブログを始めて半年ほどたったころ、「私のブログを見た」という若い経営者さんから問い合わせがありました。かなりブログを気に入ってくださっていたようで、私のブログを隅々まで読んでくださっていました。結果的に先代が健在の今、先代からの税理士さんを替えることができないという理由で成約には至りませんでしたが、十分に手応えを感じる問い合わせでした。

    中小企業を元気に!

     

     この税理士という仕事を通して感じたことはたくさんあります。そのひとつが「この社会は知っている人のみが得をする制度がたくさんある」ということです。

     中小企業等投資促進税制にみられるような税額控除しかり、雇用や設備投資に対する助成金しかり、健康保険の傷病手当金しかり、きちんと情報をキャッチし、自ら申告や申請した者だけが得をする。

     少し大げさな表現ですが、ある意味、玉石混交の情報から有用な情報をキャッチし、有効に活用する。情報を制する者のみが生き残れる社会になりつつあるのかもしれません。

     そういった意味で、本来であれば企業経営者は、「税理士」はもちろん、「弁護士」「社労士」などの専門家から上手にアドバイスを引き出し、企業経営に生かせるものは取り入れていくことが望ましいと思います。

     ただ実際のところは、顧問料負担等の関係から、中小企業の大半が相談相手は税理士のみというところが多いのではないでしょうか? そのようなことから、中小企業は情報弱者に陥りやすいといえるのかもしれません。

     そのような情報弱者である中小企業の経営者や、経理担当者の方々に読んでいただき、少しでも役に立てていただきたい。そのような思いで日々のブログを綴っています。

     今は税理士に限らず、たくさんの専門家がブログを通して分かりやすく有益な情報を配信しています。

     私のブログを読んで、少しでも経営に役立てていただけるのなら、税理士ブロガーとしてこれほどうれしいことはありません。

     日本の中小企業を元気にしたい。そこで働く社員さんとその家族が元気で幸せであってほしい。中小企業経営の厳しさを知る税理士なら、誰もが心の奥底に抱く想いだと思います。

     自身に力がないと嘆くより、自分にできることを探して行動する。まずは目の前のお客様を大切にすることに徹していきたいと思います。

    塩谷真人(しおたに・まこと)

    税理士・FP。昭和51年8月三重県紀北町生まれ。創価大学卒業。平成23年税理士登録。大学卒業後、名古屋市内の公認会計士事務所でキャリアを積んだ後、帰郷。父が営む税理士事務所に2代目として入所。現在、「中小企業を元気にします!」「三重県東紀州を元気にします!」を合言葉に日々、お客様のために奮闘中。

     

    事務所HP

    ブログ

    フェイスブック

    ツイッター

  • 2013年2月号 ブログ・アウトサイドストーリー81

    ペーパーレス化による事務効率SuperUp 術 安田会計事務所 所長 税理士 安田信彦

    はじめに

     

     皆さんこんにちは。

     埼玉と岐阜のブロガーサミットに出席させていただきました安田信彦です。

     ブログと付き合い始めたのは事務所のホームページのコンテンツのひとつという位置づけからでした。ホームページをいかに仕事に結び付けるか? という命題のもとにブログに行きつきました。そうです、SEO対策の一環でした。

     

    • 所長は不定期に更新

    • スタッフは原則1週間ごとに

     

    と最初は半強制的に始まりました。

     半強制的に始まったブログですが、スタッフも個性たっぷり、意外とブログを書くことにも慣れてきたようです。今では、必ずチェックしてくれるお客様もいらっしゃって、ちょっとさぼっていると、「どうしたの?」とうれしいご連絡をいただくこともあります。

     仕事に結び付いているかというと……。

     まだまだこれからという状態でしょうか。

    ペーパー㆑ス化で事務効率アップ

     

     それでは、ブロガーサミット in 岐阜でお話ししたことの続きを書いていこうと思います。

     

    • 事務効率SuperUp術

    • 会計事務所の差別化戦略としてのペーパーレス化

     

     皆さんもご存じとは思いますが、私は会計事務所の事務効率アップにITを使うことを実践し、その内容の情報提供を多く行ってきました。

     私たちの仕事は「差別化のない仕事」です。安田会計事務所の税額がほかの事務所の税額よりも安いということであれば、差別化が生まれるかもしれませんが、それはあり得ないことです。私たちは差別化のない商品を売っているのです。差別化のない商品の差別化はどこにあると思いますか……?

     そうです、「価格=値段」に求められてくるのです。インターネットでの低料金の広告が目につくようになりました。差別化が価格に表れてきた証拠です。これからの会計事務所は、差別化商品・分野を持っていなければ勝ち残れないと言っても過言ではないと思います。最も強い者が生き残るのではなく

    最も賢い者が生き延びるのでもない唯一生き残るのは、変化できる者であるとCharles Robert Darwin(1809〜82年、英国の地質学者・生物学者)は言っています。これは間違いなく私たちの世界にも言えることではないでしょうか?

     事務所のあり方をもう一度見直し、「変化」を遂げることではないかと思います。

     そのひとつとして、「会計事務所の差別化戦略としてのペーパーレス化」を実践してみてはいかがでしょう? 決して難しいことではありせん。紙で行っている仕事を電子の世界に置き換えて、管理・閲覧・保管をするということだけです。この方法をしっかりと自分のものにすれば、顧問先にノウハウとして提供することもできます。

     例えば顧問先が弁護士事務所であった場合、会計事務所と同様に「紙」であふれかえっている状況が思い浮かびます。事件ごとに情報を整理し、ひとつのフォルダーに管理しておけば、その事件に携わっていない他の先生でも簡単に回答できます。

     ここで、実際にあったお話を紹介します。

     損害保険の代理店を営んでいるN氏。駅の階段を上っているときに急に息苦しくなり、うずくまってしまいました。救急車で病院に運ばれ、診断結果は「気胸」でした。

     「僕の机の右側の引き出しの上から2番目に……」

     病院の個室に入り、従業員と携帯電話でこのようなやり取りが続きます。

     データが電子化され、統一されたフォルダーに順番に資料が入っていれば、こんなことは起こらなかったでしょう。

     この会社には、ペーパーレスの導入をお勧めしました。今では、資料等はすべて会社のファイルサーバーに保管をして、閲覧はインターネットを通して手元のタブレット端末で確認し、契約書の作成等もすぐにできるようになりました。

     ファイルについても、全てのスタッフが自分の担当でないお客様の資料をすぐさま確認できるようになり、N氏もこれで心置きなく入院できる? と笑ってらっしゃいました。

     いかがですか? 事務所の効率化をすることにより、事務所の差別化もできることになるのです。

     では、どのようにすればよいのでしょう?

    投資金額は?

     

    ① 電子ペーパー作成ソフト:1万5200円

    ② 2台目ディスプレー:1万円

    ③ 2台目ディスプレー接続アダプター:7000円(ノートパソコンであればこれは必要ありません)

    このように、合計3万2200円で可能となります(PCの金額は含みません)。

     この構成は最低最小構成の金額です。規模が大きくなればなるほど、安全性を求めれば求めるほど、高額になってきます。いつでもご相談に乗ります。

    どのようにすればよいのか

     

    ① 電子ペーパー作成ソフトにより、今まで紙で打ち出していたものを、プリンター感覚で電子ペーパーとして画像化し、画面に表示して確認をする

    ② ①で電子ペーパーとして作成された画像をディスプレーで確認しながら、もう1台の画面で入力等の仕事を行う

    ③ ①で作成された電子ペーパーを、事務所の書庫のファイルの背表紙を参考に、ファイル体系を作成して保管する

    ④ ①以外の資料を電子化して③の電子書庫に保管する。過去の申告書をスキャナーなどでスキャニングして電子化し、③で作成した電子書庫のファイルに保管する

    ⑤ 電子化されたデータはウィルス・停電・故障にはとても弱いので、万が一の対処には十分配慮する

     どうですか? まずはお金をかけずに行ってみてください。

     お持ちのパソコンをまず2画面にすること、そして電子ペーパー作成ソフトを導入することから始まります。電子ペーパー作成ソフトを販売しているメーカーでは、無料の使い方教室を開いてくれています。ぜひ参加してみてください。

     今回は会計事務所の差別化戦略としてのペーパーレス化のほんの入口しかお話しできませんでしたが、次回があればもっともっとお話ししたいと思います。

    最後に

     

     会計事務所の差別化戦略としてのペーパーレス化の実践場所:安田会計事務所の事務所見学会を、株式会社実務経営サービスさんのご協力のもとに開催する予定ですので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

    安田信彦(やすだ・のぶひこ)

    安田会計事務所所長。税理士。1956年生まれ。商社勤務後、平成2年税理士登録。「一期一会」がモットー。NHK出演など業務効率化のためのIT活用では特に有名。2010年の東京税理士会情報フォーラム「税理士事務所IT化コンテスト」で最優秀賞受賞。東京税理士会情報システム委員として税理士へのIT啓蒙活動にも情熱を傾ける。

     

    ホームページ

  • 2013年1月号 ブログ・アウトサイドストーリー80

    東日本大震災とブログ 阿部尚武税理士事務所 代表 税理士 阿部尚武

    ブログやSNSの意味

     

     この原稿を書くにあたり、過去の履歴を調べてみると、自分がブログを始めたのが、2008年10月からで、ちょうど4年間書いていたことが分かりました。早いものです。そして、過去の記事を見ると、自分が当時やっていたことが分かり、なんだか懐かしいような恥ずかしいような、そんな気分になりました。

     それはさておき、「ブログやSNSって、何の意味があるの?」という質問を受けることがよくあります。そこで今回は、自分がブログをやっていてよかったことのうち、2011年3月11日に発生した東日本大震災関連にまつわる話をもとに、自分の思うブログの楽しさについてお話ししたいと思います。

     皆さんは、ブログを自分の事業にどう活用されていますか? 自慢ではありませんが、自分は具体的な収入につながったことは、ありません。例えば、実務経営サービスで時々セミナーをされているY先生みたいに、情報商材を相当数販売したとか、そんなすごい話は全然ありません。また、最近はあまり更新をしていないので、ますます偉そうなことはいえません。

     ただ、ブログをほぼ毎日更新していたときは、2つの目標を持っていました。

     

    1.SEO(サーチエンジンオーガニゼーション、検索エンジン最適化の略)対策

    2.ブランディング

     

     SEOもブランディングも、ウェブではすっかりおなじみのキーワードですが、ブログを書き始めたときはこれらの意味がさっぱり分からず、ただやみくもにブログ記事を書いていました。そうしたら、私の友人である出版コンサルタントのM・Y氏から、

     

    「商業上、目的が明確ではないブログは意味がない!」

     

    と全否定され、以来、ブログを書くことについて明確な目的意識を持って、記事を書くようにしています。

    インターネットでの露出度を高める工夫

     

     ブランディングは、自分をどう見せるか、どう見せたいかという達成目標およびその手法なのですが、自分をどう見せたいかを確定しなければならないところが厄介です。そこで、全体のブランディングはひとまず置いておいて、取りあえずシリーズ物の記事をいくつか作り、経営と税務に詳しい税理士である点をアピールすることにしました。

     SEOとは、特定のウェブなどを、検索結果の上位に表示させることを目的とする手法のことです。ここで、ブログのアクセス解析機能が役に立ちます。

     ほとんどのブログ管理システムには、アクセス解析機能が付いています。詳しい説明はここではしませんが、特にアクセス数と検索キーワード機能を参考にしています。

     アクセス数は目標管理のために使います。毎日、前日以上のアクセス数を目指すことにしていました。

     検索キーワード機能は、自分のブログに来てくれた人が、どのような検索キーワードで探したかが、ランキング形式で分かるものです。ブログやホームページは見てもらえないと意味がないので、ブログを書く前に、まずは検索キーワードをチェックし、その上位キーワードを盛り込んだ記事を書いていました。どうしても書きたい記事とキーワードが相いれない場合は、記事を2つアップしていたと思います。

     東日本大震災が発生する前は、検索でよく引っかかるキーワードは「滞納処分」、「差押」でした。自分は国税徴収法に合格していて、そのときの知識を使い、参加差押や交付要求などのシリーズ物(シリーズ物は相互リンクを多く使えるので、SEO対策のひとつになります)のブログを書いていました。また、リスケジュールのお手伝いも当時いくつか受任していたので、割と書きやすかったのも理由のひとつです。

     調べてみると、この手の話題でブログを書いている方は少なく、それが理由で検索上位に来ていたことが分かりました。

     

    「そうか! 競合が少ない記事だと検索上位になるんだ!」

    税理士でなければできないインターネットでの情報提供

     

     そこで、何か他にネタがないものかと探していたところ、2011年2月ごろに、宮崎県の新燃岳の噴火の記事があり、災害税制のことを試しにちょっと書いてみました。すると結構反響があり、これはいけると思って、災害税制に関する情報を集めていたのです。そのようなことをしていたときに、東日本大震災が発生しました。

     地震当日は、ずっと事務所にいました。地震で事務所の什器が全て倒壊し、パソコンのディスプレーが机から転げ落ちました。また、廊下の壁には大きな亀裂が入り、ビルが倒れるかと本気で心配しました。また、事務所の窓から、コスモ石油千葉製油所の大爆発が見え、駅の周りには電車が動かないのに多くの人がワラワラと集まっている風景が本当に恐ろしく、今でも鮮明に思い出すことができます。

     夕方になっても電車は動かず、帰ることもできなかったのですが、幸い建物は倒壊しなかったので、しばらく事務所にいました。電話はほとんど不通で、家族にも連絡が取れない状況でした。ただ、なぜかインターネットだけはサクサク動いていましたので、見ているとも思えなかったのですが、取りあえず今の状況をブログに書いておきました。そして、やることがなかったので、ずっと電子申告をしていました(笑)。

     次の日、地震の被害状況が尋常でない様に恐れ戦いていたところ、当時の野田財務大臣から報道発表があり、国税庁から申告期限等の延長が通知されました。これは国税通則法第11条(災害等による期限の延長)に基づく措置で、宮崎県新燃岳で災害税制を勉強していたためか、自分でもすぐに理解することができました。そして、「これだ!」とわが天命を知るところとなり、一気呵成にブログを書き上げ、3月16日に「災害に関する税制がすべて解る! フローチャート」を上梓したのでした。

     結果、これが大当たり……まではいいすぎですが、多くの人の目に留まるところとなりました。ユニークアクセスだけで月に2万件を軽く超えていて、1日に1000アクセス以上ある日もありました。また、その後も更新を続け、5月の連休前までほぼ毎日更新していたと思います。そのおかげで、自分のホームページのアクセス数もかなり上がり、検索結果も上位に出てくるようになりました。

     そのようななか、具体的な反響はというと、お客様からの問い合わせは、実はほとんどありませんでした。税制について聞きたいという問い合わせはあったのですが、それで顧問契約になったものはありませんでした。しかしその代わりに、講師や執筆の依頼がちょこちょこ来るようになりました。

     東京税理士会のとある支部から、災害税制に関する講師のオファーを頂き、電車が地震で止まりながらも研修会を行いました。また、株式会社ぎょうせい発行の「月刊 税理」に、消費税における災害税制に関する執筆の依頼があり、その後もいくつかの記事を書かせていただきました。

     結果として、「災害に関する税制がすべて解る! フローチャート」を書いたおかげで、今まで出会うことのなかった方々と交流を深めることができました。

    人に出会うためにブログを書く

     

     一方、M・Y氏から有難ーい助言をもらった頃に、ブログをライブドアからアメブロに変更しました。そのときに、たまたまアメブロガー同士のオフ会があり、ブログをきっかけとしたリアルな出会いの面白さに気づくことができました。アメブロには本当にお世話になったと、今でも思っています。また、このブロガーサミットに参加したのも、ちょうどそのような時期だったと思います。

     結局のところ、ブログをやる意味は、リアルな人との交流です。世にあまたあるSNSも、結局はリアルな出会いにつながらないと、その面白さは分かりませんよね?

     自分は、人に出会うためにブログを書いています。

    阿部尚武(あべ・なおたけ)

    阿部尚武税理士事務所代表。税理士・行政書士・2級FP技能士・農業経営アドバイザー。昭和46年千葉県生まれ、41歳。日本大学理工学部卒。30歳で税理士登録し、平成22年に現在の幕張本郷に移転。独立開業後、全国でもまだ珍しかったHPをいち早く立ち上げ集客を行う。また自らが経営を実践し、その実践に基づいたアドバイスにて経営者からの相談を積極的に受け経営を支援する。主な著書に『実務家のための役員給与の税務(共著)』(ぎょうせい)など。

     

    ホームページ

    Facebook

    Twitter

    ブログ

 

  •  他方、当時はニフティサーブにCPAネットというCUG(Closed Users Group)があり、そこを通じて部門の先輩から法人内のパソコン通信を利用した「朝日オンラインクラブ」に誘われたので早速加入し、部活動、例えば、イーサネットをつなぐ実験やデータ・ダウンロード技法(現在のコンピュータ利用監査技法の嚆矢)の練習をしていました。本筋から外れるので詳細は省きますが、主に、汎用機のEBCDICという文字コードをパソコンのASCIIコードに変換するソフトがあったので、それを使って主に債権や在庫のデータを分析していたのです。

    成功体験が桎梏2

  • 「ブロサミ」の名付け親

     平成25年9月21日(土)、大阪ブロガーサミット(以下適宜「ブロサミ」と略します)は、今回の目玉「ワールドカフェ」をやってみようというアイデアを提供してくださった近藤学税理士のご協力、そして幹事3名(秋山和久税理士、白川浩税理士、菊水浩税理士)の仕切りのよさもあり、盛会のうちに幕を閉じました。

     「ワールドカフェ」の何たるか、大阪ブロサミがどのような内容だったかは、この後にバトンをつなぐ白川税理士がしっかり書いてくださることでしょう。ちなみに、大阪ブロサミの様子は、写真とともに「元祖ブロサミオフィシャルブログ」でもご確認いただけます。

     しかし、です。時は流れ、世の中の情報発信の媒体は、ホームページからブログ、ツイッター、フェイスブックと、まさに群雄割拠の様相となり、参加者の情報発信の方法・内容・頻度もバラバラ。そのようななか、「ブロガー」サミットと名乗り続けてよいものか、という疑問もちょっとありますが、2006年3月、ブログで出会った同業者が「ちょいと確定申告の打ち上げでもやりましょうか」とウェブ上で連絡を取り合い、洒落っ気で名付けた「ブロガーサミット」という名称。この会の起源を示すということで、ま、ありといたしましょう。

     ちなみに「ブロサミ」の名付け親は、この私だったりします。最近、アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)さんというソーシャルメディアマーケティングで有名な会社が「ブロガーサミット2013」なるイベントを大々的に開かれましたが、ウチらのほうが老舗だったりしますんで、そこんとこヨロシク!

    ユルいネットワークによる化学反応

     

     税理士に限らず、独立して事業を始めた場合、「しがらみがなく」「緩やかで」「ざっくばらん」に情報交換できる仲間が必ず必要になります。独立系の税理士・会計士の「ユルやかなネットワーク」形成の一助という役割を、このブロサミは果たしています。ここが長続きしている最大の理由なのでは!?

     そして成果を強制的に目指してはいないブロサミにもかかわらず、このユルいネットワークから、次のような成果も化学反応的に生まれています。

     

    経理プロフェッショナル養成講座

    アイ・シー・エス通商株式会社の中山社長は、とても有名な経理本ブロガーでいらっしゃって、第1回ブロサミの参加者です。そこで出会った吉澤大税理士プロデュースのもと発足したのが、「経理プロフェッショナル養成講座」です。講師の井ノ上陽一税理士もブロサミ参加者。そして恥ずかしながら私も、「資金調達支援編」で講師を務めています。まぎれもなく、ブロサミでの出会いがなければ成り立たなかった企画だと思います(http://www.icst.co.jp/seminar/professional.html)。

     

    LLP(タックス・プリンシプル・ジャパン)

     ブログで出会い意気投合した関西の若手税理士中心のLLP。その母体となったのはなんと、メンバーのうち3名(前田税理士、木村税理士、大末税理士)が立ち上げた「超税理士俱楽部」という、事務所を超えたブログでした(http://www.llp-tpj.com/)。

     

     ほかにもきっと、ブロサミつながりを出発点として、成果をあげた例はあるのではないでしょうか。これまた私が参加しているプロジェクトで手前味噌ですが、先月号のエッセイで紹介されている松波税理士が中心となって立ち上げた銀行対策ラボ(B-LABO)(http://blabo.biz/) もその一例です。ブロサミで松波税理士と出会い、その後定期的に情報交換をしていたことから、メンバーに加わらせていただくこととなりました。

  • 書籍「借入は減らすな!」を出版

     

     「借入は減らすな!」という本を平成25年2月に出版しました。この本の内容は、平成24年12月にリリースした「銀行借入ドットコム」サイト(http://www.ginkokariire.com) が基になっています。同サイトはプロのウェブコンサルタントに依頼して作成してもらいました。

     サイトは、サービスの概要、銀行借入ノウハウ、用語集の3つのコンテンツから成り立っています。

     サービス概要は「お問い合わせ」と「サービスお申し込み」に誘導するためのページです。銀行借入ノウハウと用語集は、サービス概要へのリンクを増やすために、SEO対策としての役割を担っています。

     用語集に200字前後の銀行・融資・金融関連用語を400項目ほど配置しています。

     そして、銀行借入ノウハウは1000字前後の読み物で、25項目ほどの構成となっています。

     このように、多量のコンテンツから構成されるサイトですから、ブログシステムを使って構築しています。サイドバーへのリンクなどが自動生成されるので便利です。

     ところで、冒頭の書籍ですが、サイト構築の過程で銀行借入ノウハウを書き進めるうちに、4万5000字ほどの量になったので「どうせなら1冊の本にまとめてみたい」と考え、出版社に企画書を出したところ、運よく評価していただき、出版にこぎ着けたのです。

     ちなみに、企画書は4社の出版社に出しました。出版社の選定や企画書の書き方については、実務経営サービスさんから多大なるご支援を頂きました。

     結果はどうだったかというと、1社は出版社の得意分野と合わないということで×。もう1社は、雑誌的な内容で本として売るのは厳しいので、自費出版ならOKという評価で×。そして2社から商業出版でOKという返事を頂きました。

     本を出すのは初めての経験です。まさに手探りの状態で、1社1社アポを取って訪問しました。ですから、企画書もトークも1社目よりは次……、とだんだん進化していったと思います。

     また、出版社というのはそれぞれ得意分野があり、ある出版社ではダメでも、違う出版社では通ることがあると分かったのは収穫でした。