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会計事務所のM&Aの課題は?会計事務所の事業承継に直面した際にできること

会計事務所におけるM&Aと事業承継は、業界特有の課題を抱えているといえるでしょう。近年、後継者不足や経営者の高齢化により、M&Aが重要な選択肢として注目されています。特に資格を持つ専門家の存在がビジネスの核となる会計事務所では、M&Aの戦略が重要です。今回の記事では会計事務所のM&Aにおける現状、課題、そして成功のポイントについて解説し、それらの課題を紐解くセミナーもご紹介します。
目次

事業承継の現状と課題

見出し画像事業承継

会計事務所の事業承継は、現代のビジネス環境において重要な位置を占めています。経営者の高齢化が進む一方で、後継者の不足や事業継続のリスクが顕在化しています。そんな中で、M&Aを含む事業承継の手法が注目される要因となっています。

事業承継の背景と重要性

経営者の高齢化は、日本の会計事務所業界において深刻な問題です。多くの経営者が高齢になるにつれて、事業承継の必要性が高まっています。

事業承継は、企業の持続可能性を確保するために極めて重要です。特に会計事務所のような専門的サービスを提供する業界では、経験豊富な後継者の確保が事業の質を維持する上で欠かせません。

会計事務所における事業承継の課題

会計事務所業界における事業承継の主な課題は、適切な後継者の不足です。多くの事務所が後継者を見つけることに苦労しており、これが業界全体の成長に影響を与えています。

加えて、会計事務所の事業承継には特有の複雑さがあります。これは専門的な知識や経験が必要な業務内容や、クライアントとの関係の継続性が求められることに起因しています。

事業承継の失敗例とその影響

事業承継が上手くいかない例として、適切な計画や後継者育成の不足が挙げられます。これにより、多くの会計事務所がサービスの質の低下や顧客の喪失に直面しているのが実態です。

さらに事業承継の失敗は、事務所の経済的な健全性や市場における信頼性にも影響を与えます。長期的な視点で見ると、業界全体の競争力の低下にもつながりかねません。

M&Aによる事業承継のメリット

M&A(合併・買収)は、会計事務所の事業承継戦略として重要な役割を果たしています。この戦略を利用することで、事業の継続、拡大、または経営資源の最適化が可能になります。

M&Aの基本と事業承継への応用

M&Aは事業を売買するプロセスであり、会計事務所においては、主に事業譲渡の形で行われます。この手法は、株式譲渡が少ない会計事務所業界において、一般的な選択です。

事業承継においてM&Aは、後継者不足や顧客基盤の拡大といった課題の解決策として機能します。特に、後継者問題が深刻な中小規模の事務所にとって、M&Aは有効な事業承継手段のひとつです。

M&Aのメリット

M&Aの最大のメリットは、売却側にとって従業員の雇用継続や事業のスムーズな引継ぎが可能になる点です。また、オーナーの退職金として、譲渡によって得られた資金を利用することもできます。

一方、買収側にとっては、有能な人材の確保や新たな顧問先の獲得がメリットとして挙げられます。また、地域を越えたM&Aにより、事業の地理的な拡大が可能になります。

成功事例の紹介

N税理士法人グループ(仮名)は、後継者不在の会計事務所の統合を通じて組織を拡大し、特に医業特化型事務所としての地位を強化しました。これはM&Aを通じて組織の専門性とサービスの質を高めた一例です。

この事例からは、M&Aによる経営統合が職員の成長や付加価値業務の深化を促進し、組織全体の競争力を高めることがわかります。M&Aは単なる組織の拡大だけでなく、内部の質的な向上をもたらす可能性を秘めています。

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事業承継におけるトラブルとその回避策

事業承継は、多くの場合、さまざまな課題やトラブルを伴います。特に会計事務所においては、その特殊性から独自のトラブルが発生する場合があります。

事業承継時の一般的なトラブル

事業承継では相続による自社株の評価額が高く、金融資産不足により自社株を買い取れない事態が発生することがあります。このような状況は、後継者が事業を引き継ぐことを困難にします。

また親族間での相続により株式が分散し、重要な意思決定に影響が出ることも一般的なトラブルのひとつです。共同相続人による議決権行使が、事務所経営の舵取りを困難にする場合があるためです。

会計事務所特有のトラブル

会計事務所における事業承継の特有のトラブルには、税理士法人の解除や個人事業主としての再出発による「事業縮小」のマイナスイメージなどがあります。これは、親子二代の事務所経営にて、親が亡くなると法人を解除しなければならないケースに関連しています。

さらに会計事務所の事業承継が遅れた場合、事務所の廃業や閉鎖を余儀なくされる可能性は否めません。これは、顧客満足度を維持しながらの、効果的な承継・統合戦略についての学びも期待できます。

トラブル回避のための戦略

トラブルを回避するためには、特に経営者交代に伴う業績悪化や廃業リスクを考慮し、適切な計画と対策が求められます。運転資金の確保や債務引継ぎの手配、社内外とのコミュニケーションを適切に行うことが重要です。

また、後継者が追い出されるリスクを避けるためには、相続の結果や経営方針に関して、株主とのコミュニケーションを強化する必要があります。株主の議決権行使が経営に影響を及ぼすことを考慮し、事前の合意形成を図ることが効果的です。

セミナー紹介『会計事務所M&A、その現実と効果的な対策』

会計事務所の事業承継に焦点を当てたセミナー『会計事務所M&A、その現実と効果的な対策』は、実践的な知識が学べる学習リソースといってよいでしょう。経験豊富な講師による洞察と事例の共有が特徴です。事業承継とM&Aに関する、さまざまな不安や疑問に対応できるように設計されています。

セミナーの目的と講師

このセミナーの目的は、会計事務所の事業承継とM&Aに関する実践的な知識の提供です。講師は、実務経営サービスの代表取締役会長、中井誠氏が務めます。中井氏は、大手電機メーカーでの経験を経て1999年に実務経営サービスを設立し、会計事務所業界での長年の経験と専門知識を持っています。

セミナーで取り扱う主な課題と学べること

このセミナーは、事業承継やM&Aの成功へのポイントとトラブルを避ける方法にフォーカスしています。M&Aの活用方法や事業譲渡の具体的な手法についても解説されます。

また、セミナーでは譲受・譲渡価額の適正な評価方法や、事業価値を高める要因についても取り上げられるでしょう。顧客満足度を維持しながらの、効果的な承継・統合戦略についての学びも期待できます。

トラブル事例の共有も行われ、それらから学べる教訓が提示されるでしょう。これらの内容は、会計事務所の事業承継におけるさまざまな課題に対する理解を深めるのに役立ちます。

まとめ

見出し画像総括

会計事務所の事業承継におけるM&Aの活用は、後継者問題の解決や大手とのグループ形成を可能にし、職員の雇用保護や売却利益を獲得するチャンスを提供します。しかし、事業承継にはトラブルも伴うことがあり、特に後継者の不在や準備不足は企業の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。

事業承継の成功のためには、事業承継計画の策定と後継者の育成、資産や株式の承継、個人保証や負債の処理などが重要な要素となります。ここでご紹介した情報と、セミナーでの学びを、事務所の事業承継にぜひお役立てください。

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