2020年4月22日
新型コロナウイルス感染症の影響が拡大するなか、顧問先支援に奮闘する税理士法人西川会計(東京都北区)の西川豪康代表税理士にお話を伺った(写真は西川先生(左)と、関連法人である社会保険労務士法人らいふ社労士事務所 代表社会保険労務士の福島継志先生(右))。
── 緊急事態宣言が発令されるなど、新型コロナウイルス感染症の影響が、経済にどこまで影響を与えるのか見通せない状況です。事務所の運営においても、感染症対策が極めて重要なものとなってきました。
西川 当事務所は、職員の皆さんの健康と安全を第一に事務所運営に取り組んでおり、在宅勤務を導入しています。その一方で、会計事務所ではお客様からお預かりする資料など、紙の書類が多いため、お客様の情報をお守りするためにも、すべての職員を完全に在宅勤務にするのは困難です。
そこで、各課でひとりは出社するようにして、在宅勤務中の他のメンバーのサポートをしてもらっています。お互いにサポートをすることで、課内のコミュニケーションが促進され、業務によい効果が出てきています。
緊急事態宣言後も、政府の施策や都の要請はよく変わりますので、そのつど社内体制を見直し、所内での行動指針を「在宅勤務の手順書」などのようにマニュアル化し、職員と共有しています。
まだ試行錯誤をしているところもありますが、在宅勤務の不自由さ、不便さを克服した経験は、今後の業務に必ず生きると思っています。在宅勤務をよりよくこなせるように、資料の電子化や自動化などを推し進めています。
電子化や自動化が進んでいくと、既存の業務がシステムに置き換えられていくでしょう。そうなったとき、私たちはお客様のお役に立つために何をすべきなのか、職員一人ひとりに考えてほしいと思います。
── 新型コロナウイルス感染症の影響は多くの中小企業に及んでいます。顧問先から相談は寄せられていますか。
西川 お客様からは、本当にたくさんの相談をいただいています。一つひとつのご相談に迅速にご対応できるよう、担当者は皆必死でがんばっています。
── どのような相談が寄せられていますか。
西川 政府の緊急支援策が発表され、今も拡充が予定されていますが、そのような支援策を利用するにはどうしたらよいのかという相談が中心です。
特に資金繰り対策としての融資の相談、雇用調整助成金の特例措置に関する相談が多いですね。融資の相談に関しては税理士法人で対応しており、雇用調整助成金の特例措置に関しては関連会社の社会保険労務士法人らいふ社労士事務所で対応しています。
当事務所は美容室の支援を得意としており、顧問先の4割が美容室です。ご存じのとおり、美容室は都内において一時、休止要請施設の候補になるなど、大変厳しい状況に置かれています。今後の感染拡大の状況によっては、実際に休止要請が出されたり、外出禁止要請が強化されたりする可能性があります。
お客様からは、お店を開くべきなのか、休業をして助成金を申請したほうがいいのかといった問い合わせが多数寄せられています。私たちは、お客様にこの危機を乗り越えていただくために、政府の緊急支援策に関する最新の情報の収集に努め、お客様の状況に応じて最良の助言をさせていただいています。
── 今はかつてないほど、顧問先への適切な情報提供が重要になっていますね。
西川 はい。お客様に最適な助言をするためには、職員全員が政府の緊急支援策などを熟知していなければなりません。所内で気軽に会議も開けないような状況ですが、今は会計事務所と社労士事務所が緊密に連携し、税務・会計と労務が両輪でお客様をサポートしなければなりません。
そこで、社内向けに情報共有用のチャットを立ち上げ、会計事務所と社労士事務所のスタッフが、大事な情報を共有できるように気を配っています。
── 現在の情勢のなか、新たに顧問先向けの支援策は検討していますか。
西川 現在はとにかく融資を受け、キャッシュを確保することが大事な状況ですが、事態が収束したら、経営の再建が重要なテーマとなってきます。おそらく、金融機関の貸し付けは渋くなるでしょう。そのときに事業計画書を作ることが大事です。また、クラウドやRPAなどを活用した、経理回りの業務改善の需要が高くなるでしょう。
── 最後になりますが、西川先生から中小企業経営者の皆様にメッセージをお願いします。
西川 経営者の皆様が困難な状況に直面したときこそ、私たちがお役に立てるときだと思っています。リーマンショックが起きたときも、資金繰りに苦しむお客様を全力でサポートさせていただきました。あの危機を乗り越えたお客様が、いまも事業を継続されているのが私たちの誇りです。
新型コロナウイルス感染症の影響には計り知れないところがありますが、お客様の存続と発展のために、今回も税務・会計、労務の専門家として、全力でご支援させていただきたいと思っています。
── ありがとうございました。税理士法人西川会計のご発展を祈念いたします。(取材:高井 崇)
税理士法人西川会計(東京都北区)は、社会保険労務士事務所など5つの関連企業で構成されるらいふ経営グループの中核部門。「自利自他」の経営理念を掲げ、税務会計の専門家として顧客の発展を支援している。
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