「企業年金が生む人材定着と従業員エンゲージメント向上効果」研究発表会

株式会社ベター・プレイス

ビジネスレポート

10月22日、株式会社ベター・プレイス(東京都新宿区)はアルカディア市ケ谷 私学会館(東京都千代田区)で、「企業年金が生む人材定着と従業員エンゲージメント向上効果」研究発表会を開催した。

同社は「福祉はぐくみ企業年金基金」(はぐくみ企業年金)を中心に企業年金・退職金制度の導入・設計をサポートしており、人材不足が深刻化する中小企業を背景に、福利厚生が人材戦略に与える効果を山梨大学名誉教授であり福利厚生戦略研究所所長の西久保浩二氏と共同で調査した。

開会挨拶の後、株式会社ベター・プレイス代表取締役社長の森本新士氏が「はぐくみ企業年金」の概要を説明し、西久保氏が調査結果を発表した。調査では、従業員の「お金の不安」として「老後の生活資金」が全年代で最も多く認識され、20代以下でも56・5%、30代で80・3%と高水準にあることが示された。そのうえで、はぐくみ企業年金の加入者は、非加入者と比べ、エンゲージメント(活力、熱意、没頭)全体スコアが統計的に有意に高いことが実証された。

さらに、企業が重視する「定着性」「勤勉性」「貢献意欲」の3要素すべてで加入者のスコアが上回り、良好な労働態度の形成に貢献する可能性が示唆された。この結果を踏まえ、西久保氏、森本氏、アセットマネジメントOne株式会社戦略運用本部ファンドマネジャーの岩谷渉平氏による対談セッションが行われた。セッションでは、中小企業の現状や、人的資本経営の目標であるエンゲージメントと「はぐくみ企業年金」の関連性について議論された。その後、質疑応答・意見交換、名刺交換・ネットワーキングが行われ、閉会した。

今回の研究は、お金の福利厚生である「はぐくみ企業年金」が単なる待遇改善にとどまらず、人的資本経営の中核である従業員のエンゲージメントと定着に具体的な影響を与える可能性を実証する、意義深いものとなった。主催のベター・プレイスが推進する「はぐくみ企業年金」は、主に中小企業(導入法人の96%が従業員300名以下)を支える確定給付企業年金(DB)であり、事業主側はコストを抑えながら制度構築が可能で、従業員側は元本が保証(運用実績不足は事業主が補填)され、退職や育児・介護休業時などにも受け取りが可能な点が特徴である。
(取材:村上翼)

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