書籍案内 親が認知症になると「親の介護に親の財産が使えない」って本当ですか?

書籍案内

司法書士法人ソレイユ 代表司法書士 杉谷範子著
大和出版刊
定価1600円+税

親が認知症になると、「預金が下ろせない」「実家が売れない」——。

そんな〝資産の凍結〞が突然起きてしまうことを、意外と多くの人が知りません。

本書は、この重たいテーマをできるだけやさしく、そしてスッと読み進められるように工夫された一冊です。はじめには、認知症になった義母を訪ねるお嫁さんの視点で描かれたマンガがあり、対策をしないまま迎えてしまうと、家族にどのような深刻な事態が起きるのか⁉

司法書士として数多くのご家族と向き合ってきた著者は、専門用語をなるべくかみ砕き、どなたでも理解しやすいように説明されているので、「これ、うちのことかもしれない」と思いながら読み進める方も多いはずです。

そして本書が心強いのは、不安を伝えるだけで終わらないところ。

家族信託を中心に、親の財産をどう守り、どう使っていけばよいのか——その方法が具体的に紹介されています。また、親やきょうだいと「お金の話」をどう切り出せばいいのかといった、現場で培われてきたコミュニケーションの工夫まで書かれており、実践しやすい内容になっています。

実は、家族信託の相談をきっかけに、家族関係や資産状況などの整理が必要になるケースが多く、自然と相続や税金の話題へとつながっていくため、税理士の先生方にとっても顧問先支援の幅が広がる〝入口〞になるはずです。

法律の本でありながら、難しさを感じずに読み終えられ、「今のうちに準備しておこう」という前向きな気持ちがきっと生まれる一冊です。

ほかの記事を読む