わが国の少子高齢化は歯止めがかかっておらず、20年後には生産年齢人口が20%減少すると予測されている。いわゆる「8割経済」の到来である。そのような社会では、既存の企業が8割に減ったパイを奪い合うような状況になる。そのため、今は業績のよい企業であっても、20年後も好調を維持するのは容易ではないといえる。会計業界において、M&Aはこれまで顧問先企業の事業承継の一手段として考えられてきた。ところが今後は、これから訪れる8割経済を克服するため、たとえ業績がよくても、後継者がいても、M&Aの売り手企業になるような「成長戦略型のM&A」が主流になるという。会計事務所にとっては、優良顧問先がM&Aの売り手企業になりうることを意味するが、このような状況の変化にどう対応すればよいのだろうか。本稿では、M&Aの新潮流について熟知する株式会社日本M&Aセンター代表取締役社長の竹内直樹氏と、執行役員 コンサルタント戦略営業部 統括部長の上夷聡史氏に、近年のM&Aの動向と、会計事務所による顧問先支援のあり方について伺った。なお、竹内氏と上夷氏はいずれも40代であり、日本M&Aセンターを牽引する若きリーダーである。今回の取材では、同社の会計事務所向け支援の新たな展開についてもお聞きしている。(取材 江面洋治、撮影 市川法子)