税理士法人マッチポイント(札幌市中央区)は、月次の対話型サービスを軸に急成長する会計事務所である。2019年に「理想の会計事務所をつくろう」と集まった5名で創業し、2023年の経営統合を経て、現在は約100名規模のマッチポイントグループへと拡大した。同事務所が税理士チェンジ(他事務所からの乗り換え)の顧客から選ばれ、年80万~100万円という顧問料水準を維持できる理由は、「報告ではなく対話」にある。月に一度、社長と数字を一緒に見て、変化や差から「気づき」を引き出す。この対話力を組織的に高めているのが、教育プログラム「マッチポイントカレッジ(MPC)」だ。同事務所はこのMPCを「質問する」段階から「仮説をぶつける」段階へと進化させ、「15分で仮説を立てる」訓練を通じて、担当者が自分の頭で考えて提案できる組織をつくってきた。その成果として顧問先からの紹介が増え、さらに「なんとかする会社。」というスローガンのもと、保険・IFA・経営計画・相続といった周辺サービスへと領域を広げ、税務顧問以外を収益の柱に育てようとしている。会計事務所がどうやって税務顧問の単価の天井を超え、担当者を育て、AIと距離を取りながら付加価値を高めていくか。本稿では、対話型サービスと「仮説をぶつける」教育、「なんとかする会社。」への事業拡大、そして「北海道№1」から「日本一」へと引き上げた目標について、植島悠介氏(写真右)と鈴木洋平氏(同左)にお話を伺った。(取材:江面洋治、写真撮影:市川法子)