7月16日・17日の2日間、帝国ホテル東京(東京都千代田区)において、第53回TKC全国役員大会が開催された。主催はTKC全国会、運営担当はTKC西東京山梨会。今大会には全国から1074名が参加した。統一テーマは「会計事務所の経営革新 税理士の4大業務を完遂し、中小企業を元気にしよう!」、サブテーマは「未来への岐路 進化の路を歩き、社会を照らせ!」。
初日の16日は政界、官界、学界、税理士界、政府関係金融機関など、各界から来賓を招き、式典が執り行われた。土田士朗大会委員長による開会の辞、物故者への黙禱があり、TKC全国会会長でTKC全国政経研究会会長の坂本孝司氏が主催者代表挨拶を行った。続いて、高市早苗氏(内閣総理大臣・自由民主党TKC議員連盟会長)、藤井健志氏(日本政策金融公庫総裁)、太田直樹氏(日本税理士会連合会会長)による来賓祝辞、委嘱状授与、第34回飯塚毅賞授与があった(高市氏は書面メッセージ)。
特別講演では、株式会社TKC代表取締役社長飯塚真規氏が「税理士が使うAIはいかにあるべきか」をテーマに、岩崎博信TKCシステム委員長と、日本マイクロソフト株式会社のエバンジェリスト・畠山大有氏をゲストにトークセッションを行った。続いて、角谷雅子TKC近畿京滋会会長と中西知行次期実行委員長から次回開催地の紹介が行われた。そして井上卓己実行委員長が閉会の辞を行った。
講演会終了後には、会場を移し、坂本会長が「会計事務所の経営革新 全部監査の効果的かつ効率的実施体制の構築-不死身の高付加価値経営を実現するために-」と題した会長講演を行った。坂本会長はまず、AI時代の到来により会計事務所業界の二極化が進んでいると指摘した。記帳代行や起票代行をデジタル化して大量の顧客を獲得しようとする「丸抱え」のグループは、経営者への啓発を行わず入力代行が中心となるため経営助言も形だけになり、AI時代に生き残れないと警鐘を鳴らした。
一方、「会計で会社を強くする」ことを経営者に指導・啓発し、記帳は関与先企業でAIを活用して省力化を図り、帳簿の証拠力を確保したうえで税理士の4大業務を実施する「月次巡回監査体制」のグループこそが、不死身の高付加価値経営を実現できると強調した。巡回監査の本質については、三現主義(現地・現物・現人)の実施に基づく事実認定業務であると改めて定義した。
税理士法第45条第2項の相当の注意義務に関連する近時の懲戒処分事例を挙げ、「税理士として通常確認すべき書類等の確認」はAIによる自動作成では通用しないと指摘。結びには、税理士の業務は、税理士の4大業務に基づく専門家的業務と三現主義に基づく巡回監査を中心とした現場職を兼ね備えた仕事であり、AIに代替されないと語った。
講演終了後には、会場を移し、レセプションが開催された。
2日目の17日には全体研修会が開催された。小川晃司中央研修所所長による開会の辞の後、安部知格TKC全国会副会長が正副会長会からの報告を行った。報告では、TKC全国会運動方針の確認や外部環境の変化と社会の納得、第1フェーズ2年目(ラストスパート)の取り組みと体質改善の6つのステップ、目標・表彰制度などについて説明した。
続いて、プロジェクトリーダーの原田伸宏氏から「高付加価値モデル構築プロジェクト」の中間報告が行われた。
次に、トリプルセッション「不死身の高付加価値経営の実現を目指して -私たちの挑戦ストーリー-」が開催され、小野晃弘氏(中国会)、多々良信彦氏(静岡会)、髙谷新悟氏(東北会)が自事務所の実践を発表した。閉会の辞は高田勝人中央研修所担当副会長が行った。
(取材 城越謙太朗)
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